本当の真実
「………………………………」
伊野部は怪訝な表情を浮かべて村井の近くまで歩き、携帯を受け取ると言われた通りにカーソルを下げていくと
「……!?……」
あとは何も書かれていないとずっと思っていたメールには本当に続きがある事を知った。
そんなメールの内容は……
――――――――――――――
ごめん、もう無理やわ……
今までありがとう
理由は、全部赤裸々に日記
に書いたから……
だから、日記を机の上に
置いておくわ
日記読んだら丘の上で
言うた事の意味が理解が
出来ると思うから
絶対読んでな
――――――――――――――
「だからあの時机の上に日記が……」
「家に行った時あなたは、一番上の引き出しの中に自分の目に触れないようにしたんですね」
「………………………………」
「あの丘の上でいったい何を告げられたんですか?」
さっき光景は、見てましたけど残念ながらちょうど風が邪魔して声だけ聞こえなかったもので……と村井が笑みを浮かべて付け加えた。
「…………俺は、もうそろそろで死ぬかもしれへん……」
伊野部の代わりに後藤がふと呟いた。
後藤が呟いた言葉に伊野部が驚いた表情を浮かべていて
「それあいつが……」
「これがあの人があんたに告げた言葉なんでしょ?」
言い切る前に後藤が表情を変えずに問い掛けた。
「せやけど、なんで」
「それよりも日記読んでみたらどうですか?」
後藤に聞き返そうとした伊野部に村井が二人の間に入り、伊野部が手にしている日記を指差した。
「メールにも書いてあったじゃないですか、日記に全て書いてあると」
「せやな……せやけど」
「怖いんですか?」
日記を未だに見ようとしないとしない伊野部に村井が静かに問い掛ける
「日記を読んで真実を知るのが怖いんですか?」
「……怖い訳ないやろ」
村井の問い掛けに少し睨み付けるようにしながら答えると
日記を机の上に置いた。
「……じゃあ僕たちは、少し離れますね」
村井は、微笑みながらそう告げると糸田と後藤にも声を掛けて、店の奥へ入っていった。
「ええんか?一人にさせて」
店の奥に入って遠くから伊野部の様子を見ながら
後藤が冷静に問い掛けてきた。
「良いんだよこれで……」
村井は、笑みを浮かべたまま答えた。




