過去との向き合い
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ある丘の上に一人静かに目を閉じて佇んでいた。
しばらくしてゆっくり目を開けると大きく深呼吸をした。
「……約束守れそうにないわ」
目の前の風景に向かって小さく呟いた。
その時後ろから声をかけてきた。
「なんやねん?急に例の丘の所に来てくれって……」
「おー伊野部にしては、意外と来るの早かったやん」
藤崎は声が聞こえた方向に振り返ってみるとそこに伊野部の姿があり、伊野部に向かって笑いながら告げてみれば
「用があるんやったらはよ言えや」
「……久し振りに二人っきりで話したいと思て」
「……そう、話したいだけな」
「……なぁ?」
「ほんまは、なんやねん?」
話を始めようとした時
その言葉を遮るように伊野部が先に聞き返した。
「お前が昔から嘘つくん下手なの知ってんねんぞ」
「そうやったな」
伊野部の言葉におもわず苦笑いを浮かべた。
「…………じゃあ今日ほんまに呼んだ理由を話すわ」
完全に笑みが消えて真剣な表情を浮かべると
「……約束覚えてるか?」
「約束?」
「この丘でお前と交わした約束」
「あーあれ……あの約束がなんやねん?」
「……すまん」
「はっ?なんで急に謝まんねん?ぜんぜん意味が分からん」
頭を下げて謝る藤崎に驚いているようで、少し慌てたように言っていた。
「……約束守れそうにないから、すまん」
藤崎が頭を下げたままもう一回謝って頭を上げると怪訝な表情を浮かべてる伊野部の姿が目に入った。
「守れそうにないのは、別にええ、別にええけど理由は?」
「……それは」
「今更言えんとか言うなや?」
「…………俺な、もしかしたら――――」
藤崎が何か告げた瞬間
二人の間を強い風が吹き込んだ。そのせいで一瞬聞く事が出来なかったが……
「……はっ?」
伊野部が驚いたように目を見開いておもわず聞き返していた。
「どうゆう事やねん?」
「そのまんまの意味や」
伊野部が藤崎を睨み付けているが藤崎は苦笑いを浮かべて答えると
「だからって、約束を……」
「もう嫌やねん……」
藤崎は、伊野部の言葉を遮るように不意にそう呟いた。
「えっ?」
「だから、もう嫌やねん」
伊野部の顔を見ずに風景を眺めている。
「…………もうなんか嫌やねん、約束守れそうにないのに頑張るん」
「お前……」
「怒りたいんやったら怒ってええよ」
風景を眺めたまま伊野部に告げた。
「……っ……」
伊野部は怒りをぶつけたい気持ちを必死に抑えて、近くにあった石を蹴り飛ばして、舌打ちをした。
そしてそのまま藤崎に背を向けた。
「……もう知らん」
そう言って立ち去ろうとして歩みを進めようしたがふと動きを止めると
「…………言うとくけど、変な事だけは考えんな」
それだけ言い残すと伊野部はそのまま走るように去っていった。
その時も藤崎は、後ろを振り向く事なくただただ風景を眺め続けた。
「……はぁ……」
しばらくして後ろを確認して完全に一人になったのが分かると安心したように小さくため息をついた。
「……これでええんや、これで……」
これでもう誰も悲しむやつもおらへん
風を感じながらそう思うと微かに笑みを浮かべた。
そして自分の家に戻った。
家に戻って藤崎は、真っ先に机の上に置かれている日記を手にした。
「……………………………………」
そして机に置いて近くにあるペンを手に取って日記を書き始めた。
これが多分最後の日記になると思うけど……
「……よしっ」
日記を書き終えて、内容を見ながら小さく頷くとゆっくりその場を離れてある場所に向かった。携帯を手にして…………
携帯を手にしてゆっくり携帯をメールの画面にすると内容を書いてそのままある人物にメールを送った。
メールが無事に送信させたのを確認すると携帯を閉じて、机の上に置いた。
机の上に置いた後に浴室に向かって足を動かした。
その直後
机の上に置いた携帯に着信が来て着信音が鳴り始めた。




