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妄想好きの高校生、想スキルで異世界攻略する。  作者: イソ3


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第6話 授かりし職業

神父が水晶を見て固まっている。


光で目を細めていた村人達も


「どうした?」


「水晶に何が見えたんだ?」


とざわめく。


レオンとエレナは心配そうにこちらを見ている。




………………




神父が震えながら言葉を発する。


「この者の職業は……」


想士(そうし)


「聞いた事ない職業だ、お前聞いた事あるか?」


どうやら村人達は誰も知らないらしい。


神父も困惑している。


「昔は王都の教会に在籍していたのだが、このような職業は初めてだ。」


(……!?眩しさに驚いて思考が止まりかけていた。…今なんて言った?)


(王都の教会にいた神父ですら知らない職業…!?)


(…ゲームでも聞いたことのない職業だ。)


(…未知の職業だろうがなんだろうが、妄想好きの俺にはむしろご褒美だ。)


(勇者でも賢者でもない。)


(誰も知らない職業。)


(そんなの最高じゃないか。)


(自分のステータスを見るにはお決まりだよな。ステータス!)


と頭で念じた。



ソウ


Lv 1


職業 想士


スキル 想

------



(スキル項目がある!想?なんだこれは?)



「古い文献など調べれば何か分かるかも知れぬが…現段階では何もわからぬ。」


神父が首を横に振った。


「すげー!やっぱりソウは普通じゃねぇな!」


カイルは興奮している。


「神父様も聞いたことのない職業…」


レインも興味津々だ。


「聞いた事のない職業…さすがソウだ!」


レオンはいつもの様に褒めてくれる。


「珍しい職業だからと言って気負わずソウらしく育てば良いのよ。」


エレナは優しい言葉をかけてくれた。


おそらく両親は俺に職業がなくても優しくしてくれるだろう。


俺はティアの方を見る。


ティアはまだ落ち込んでいる。


職業!しかも珍しい!…しかし落ち込んでいるティアの前では素直に喜びを表せない。



ティア


Lv   1

職業  ------

……



すると一瞬だけ



ティア


Lv   1

職業  ------

……  魔法使い



…えっ?



ティア


Lv   1

職業  ------

……



それから何度ティアを見ても元の表示のまま…


その後は何人かの子供達が職業を授かった。


神父の声も、村人達の歓声も、


俺にはほとんど耳に入らなかった。


頭の中にはティアの表示だけが焼き付いている。


職業の儀は終わり、教会を後にする。


家に着くなり、自分の部屋に飛び込む。


俺は初めての職業、スキルに興奮しつつステータスを再度確認した。


職業、スキルの説明はどこにもない。


「スキルがあるなら、試すのがお約束だよな!」


「スキル!想!」


片腕を伸ばし掌を前へ。


…しかし何も起こらなかった。


「発動条件があるのか?」


「何か想像しながらとか?」


「なら…お腹も空いたし…パン!肉!ケーキ!想!」


…しかし何も起こらなかった。


「想って結局なんだ?」


「妄想?」


「想像?」


「幻想?」


本当に何だろう?…


そして職業の儀の出来事…ティアの事を考える。


あれは絶対に見間違いじゃない。


ティアには何かある。


答えの出ない考えが頭の中を巡る。


その時ーー


ステータスの文字が淡く輝いた。


スキルの想だけが光っている。


頭の中で声が聞こえた。




『条件を満たしました。』


『固有スキル【想】を解放します。』


『派生スキル【識想】を取得しました。』


『識想 Lv1』



第6話 終

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