第5話 職業の儀
職業の儀という事もあり、村人達も集まってきている。
「職業は神より授かる、一生の宝。」
神父は一呼吸置く。
「だが、授からぬ者もいる。」
「それも神の御心。」
「どうか胸を張って生きなさい。」
(授からない者もいるのか…。)
子供達の表情が一気に固くなる。
「それではカイル、前へ出て水晶に触れなさい。」
「はい!」
元気の良い返事とともに歩き、水晶へ触れる。
その瞬間、水晶がわずかに光る。
「この者は戦士!」
「よっしゃーー!戦士になれたーーー!」
両親も目に涙を浮かべながら笑っている。
カイルも両親も大喜びだ。
カイル
Lv 1
戦士
……
(やっぱり見えるようになった!)
カイルのステータスには「戦士」と表示されている。
「次の者、レイン。」
「は…はい!」
緊張した面持ちで水晶に手を触れる。
水晶が光り
「この者は治癒士!」
レインは声を出さず小さくガッツポーズをとっている。
レインの母は胸に手を当て、小さく涙を拭って、静かに喜び合う。
村人達も歓声をあげる。
どうやら治癒士は貴重らしい。
(レインのステータスも!)
「次の者、ティア。」
「はい!」
期待に胸を膨らませて笑顔で水晶へと触れる。
何も起きない。
静寂。
神父は静かに言う。
「職業…なし…」
「……え?」
ティアの顔から笑顔が消えた。
力なく視線を落とす。
空気が重くなる。
震えているティアを母親が抱きしめる。
父も笑顔を作る。
しかし、俺にはティアが水晶に触れた瞬間。
ティア
Lv 1
職業 ------
……
(ん?------の横に職業という表示?こんなの他の人達にあったか?)
試しにレインを見る。
レイン
Lv 1
職業 治癒士
……
(表示が変わってる!?)
ティアのことが頭から離れないまま、
「次の者、ソウ。」
俺はハッとして
「…はいっ!」
水晶に触れる。
(何でも良い…職業頼む!)
触れた瞬間、眩い光が教会中を包む。
教会にいた全員が思わず目を細めた。
「なんだこの光は!?」
神父が水晶を見て
「こ、これは……!」
神父の顔から余裕がなくなる。
その視線は俺ではなく水晶だけを見つめている。
第5話 終




