↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妄想好きの転生者。〜他人の職業を目覚めさせ、世界の理を覆す〜  作者: イソ3


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/61

第54話 鬼剣士

俺は再び訓練場へと戻ってくる。


彩羅は木箱に近づき、木剣を手に取る。


「何しているの?早く剣を取りなさい。」


早く剣を取れと笑顔で話しかけられる。


「何これ……デジャブ?」


俺は渋々木剣を手に取る。


木剣を構えて、彩羅と向かい合う。


先ほどと同じ、互いの間合いは五歩は離れている。


「それじゃ、始めるわ!固有スキル[彩滅剣]」


(おいおいマジかよ!いきなりやばそうな固有スキルぶっ放そうとしてやがる!っていうか普通、人に向ける前に試すだろ!)


「くそ!固有スキル[彩滅剣]」


俺も慌てて同じ技を発動させる。


互いの木剣に、赤、青、緑、紫、白の五色の光を纏う。


(待て待て待て!これ至近距離で使う技じゃないだろ!)


光は構えた木剣の五倍くらいは伸びている。


(……離れた距離から放つ技だろ絶対!)


彩羅を見ると、俺と同様に慌てている。


「彩羅!上だ!上に放つぞ!」


「分かったわ!」


俺たちは頭上へと剣を構える。


その瞬間、五色の光が収束し、眩い光へと凝縮される。頭上へ一閃、三日月型の光波。爆音と共に虚空を切り、遥か空の雲を切る。


「「………。」」


二人してしばらく呆然とする。


「あっぶねぇ!気軽に使っていいスキルじゃないだろ!」


俺は額から冷や汗を流す。


「た……確かに……っていうかソウ!なんで同じスキルを使えるのよ!」


(さすがに気になるよな。)


「実は、職業を目覚めさせた者のスキルを、いくつか獲得できるんだ。」


俺は正直に話す。


「何よそれ!ずるいじゃない!」


彩羅は不満そうだ。


「俺は皆から力を貸してもらってるって思ってる。だから、ありがとう彩羅。」


彩羅だけじゃない、改めて皆に感謝を込める。


「そんなこと言われたら、ずるいなんて言えないじゃない……ありがたく使いなさい!きっとあなたに救われた者たちもそう思ってるわ。」


彩羅は急に感謝され気恥ずかしいのか、少し顔を赤くしてそっぽを向く。しかしすぐに、


「それじゃ、続きを始めるわよ!」


「えっ、さっき危なかったの覚えてないの!まずは、あの木人に向かってスキルを……。」


俺が木人に指をさしつつ、スキルの試し打ちを提案している最中に、


「閃滅乱舞!」


(この戦闘民族が!)


俺も反射的に同じスキルを発動する。


「閃滅乱舞!」


身体が勝手に動く。上段斬り、下段斬り、中段斬り、縦、横、斜めと次々と斬りつける。その全てが、ゴッ、ゴッ、と音を立てて、彩羅の木剣と打ち合う。


「話を聞け!まずは木人に……。」


「鬼神速!」


バン、と地面を蹴る激しい音が響く。彩羅は低い姿勢のまま、俺との間合いを一瞬で詰める。


(これ、俺がさっきやられたやつか!だったら次は真横に薙ぎ払いがくるはず!)


「嵐鬼斬!」


その低い姿勢のまま、遠心力を伴った木剣が、真横へと薙ぎ払われる。


しかし、先ほど技を受けていたので、俺は事前に木剣で防御姿勢を整えている。防御した木剣からゴッ、という音が鳴る。しかし、攻撃は一撃で終わらなかった。そのまま回転してさらに一撃、ゴッ、という音とともに木剣は手から弾かれ、さらに回転した木剣の重い一撃が脇腹へ直撃した。


「ぐはっ!」


肺の中の空気を絞り出される。


先ほどよりも重い一撃、スキルの効果だろうか。俺は痛みに耐えながら、スキル[樹命]を発動させ痛みを和らげる。


「もう満足しただろ?終わりにして帰ろう。」


「なんで?まだまだこれからでしょ?」


何を言っているかわからないという顔で、こちらを見る。


「この戦闘狂め!終わりって言ったら終わり!俺はもう疲れた。はい、解散!」


俺は弾かれた木剣を拾い、木箱へ戻す。


「分かったわよ。私はもう少し、スキルを試すわ!またね!」


(初めから木人で試してくれよ!)


話が長くなりそうなので、喉から出かかった言葉を飲み込み、


「うん、ほどほどにね。」


別れの挨拶をして、訓練場を後にする。


「本当に疲れた……。」


『お疲れ様です。』


イデアさんから労いの言葉をもらいつつ、サフィアが待っている家へ帰る。


第54話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。