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妄想好きの転生者。〜他人の職業を目覚めさせ、世界の理を覆す〜  作者: イソ3


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第43話 鬼の里

森を抜けると、大小様々な岩が広がっている。

平らで巨大な岩を土台にするように、さらにいくつもの岩がその上へ積み重なっている。岩と岩の間には隙間があり、まるで細い迷路のように道が伸びている。


「すごい岩場だな。」


村の前とは、違った光景に感動する。


辺りを見渡すと、先ほどリュネアが言っていた木々で隠された岩場を見つける。


〔あそこが入口なの。案内も終わったし、私は森に帰るの。〕


岩と木の枝が幾重にも重なっていて、外からは奥がほとんど見えない。


「ありがとうリュネア。」


俺がそう言うと、小さな光は森の奥へと飛んでいった。


リュネアに案内された場所へ向かうと、岩場に緩やかな石の階段が造られており、木々が生え、その葉が階段を隠す様に並んでいる。


俺はそのほとんど平坦な階段を、辺りを観察しながら進んで行く。


「へぇー、ここからだと木々で外は全然見えないのか。」


この立地なら人間には見つかりづらいだろう。


歩いていると茅葺き屋根の民家と長屋が数軒ずつ見えてきた。辺りは灯籠と提灯で灯されている。


「めちゃくちゃ和風な里だな。昔の日本みたいだ。写真でしか見たことないけど。」


そんな感想を一人もらす。


(それにしても里は静かだな。)


鬼たちは警戒しているのだろうか…。


「朧響ー!どこにいるのー?」


すると、


「ここにいる。」


すぐ真後ろから声が聞こえた。


「うわっ!普通に出てきてくれよ朧響!」


俺は驚きながら振り返る。


「すまぬ。」


赤と黒の着物を身に纏った、朧響が姿を現す。


(おぉ、着物だ!)


森で会った時はザ・鬼って姿だったので興奮する。


すると大きな声で、


「見ての通りだ!この人間は、我らを恐れたり襲いかかってきたりはしない!我らが探していた、世界の理を覆す者である!安心して出てきてくれ!」


その言葉を皮切りに、民家や長屋の戸口から鬼たちが顔を覗かせて、内側から戸口を掴みつつ一体、また一体……合計十数体の鬼が現れる。


俺はその光景を見て、


(事情を知っていてもその登場の仕方は驚くよ!)


笑顔を心がけつつ、心の中でツッコミを入れる。


出揃った里の鬼たちも、着物を身に纏っている。


(朧響もだったけど、やっぱり里の鬼たちも着物なんだな。里の雰囲気とあってて良いな。)


そんな鬼たちはこちらの様子を伺っているので、


「こんにちは。今後について話し合いたいので、長老さんはいますか?」


「おお、本当だ!」

「私たちを見ても怯えないわ。」

「信じられない。俺たちに敵意を向けてこないぞ。」


鬼たちは互いに顔を見合わせる。


「こんなこと…今まで一度も……。」


半信半疑で表情の堅かった鬼たちだが、俺の一言で表情が緩む。


「よくぞ参られた、世界の理を覆す者よ。儂が長老の詠角(エイカク)じゃ。」


こちらは渋い緑の色を基調とした着物姿で挨拶をしてくる。


(エイカク……も、漢字なのか?)


「俺はソウと言います。朧響から大体の話は聞いています。」


自己紹介をしつつ識想を発動する。


詠角

Lv??

種族 ???

職業 ???

適性 ???

スキル

???

ーーー


(やっぱり漢字だ!……それにしても、なんで名前以外の情報は何も分からないんだ……。)


俺は周りの鬼たちにも次々と識想を発動してみる。


???

Lv??

種族 ???

職業 ???

適性 ???

スキル

???

ーーー


そして、朧響にも。


朧響

Lv??

種族 ???

職業 ???

適性 ???

スキル

???

ーーー


結果は何一つ分からない。


(朧響は戦ってスキルも見たのに、名前しか更新されてないな。)


すると、


『一定個体???種族に[識想]を発動しました。』


『???種族にかかっている他種族への情報阻害を突破します。』


(情報阻害……?阻害を突破するため、一定数の情報を集めてたとか?)


『完了しました。』


俺は朧響に『識想』を使う。


朧響

Lv75

種族 神鬼族(忌畏)

職業 鬼遊師

適性 鬼遊師

固有スキル

赤朧

スキル

鬼渡りLv4

???

ーーー


(おぉ!見えるようになったけど、整理しないといけない情報多くない!?)


少しずつ整理してみる。


(鬼は固有スキルってやつを持ってるのか?人間も持っている人はいるかもしれないな……あの時の赤黒い影は固有スキル『赤朧』っぽいよな?それで、『鬼渡り』ってやつで転移してたのか?)


一度頭を落ち着かせて、


(そして、重要そうなのが種族……朧響は鬼族って言ってたけど、神鬼族ってなんだ?しかも[忌畏]って……朧響の話から察するに、種族にかけられた状態異常みたいなものなのか?言葉をそのまま読み解くと、忌み嫌われるの『忌』。畏れおののくの『畏』……鬼族の状況としては合っている気がする。なにより職業の鬼遊師ってなんだよ!?聞いたことないよ。なんでもありじゃんか!?)


ダメだ、考えがまとまらない。


まずは長老と話をしよう。


第43話 終

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