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妄想好きの転生者。〜他人の職業を目覚めさせ、世界の理を覆す〜  作者: イソ3


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第37話 鬼

〔ソ…。起……の。〕


…声が聞こえる。


〔ソウ。起きるの。〕


(……その声と口調はリュネア?)


「まだ眠たいの。あと五分だけ寝かせて欲しいの。」


眠たすぎてリュネアの口調がうつってしまう。


〔ソウ!早く起きるの!〕


少し怒った声が聞こえる。


俺は観念して、欠伸をしながら上半身を起こす。


「ふぁあ…よく寝た。おはよう、リュネア。」


とても目覚めの良い朝だ。


良い朝だった…。


眼前には額から角を生やした鬼の顔が……。


「………疲れすぎて幻覚を見ているの。俺はまだ眠たいから寝るの。お休みなの。」


俺は現実逃避して再び横になろうとした。


その瞬間、


「いい加減起きろ。」


鬼の力強い声に、俺は即座に飛び起き背筋を伸ばす。


(えっ…何この状況!?)


俺は鬼との戦闘を思い出し、自分の身体を確認する。


「まだ生きてる……。」


身体の痛みや疲労はなくなっていた。鬼に視線を向けると赤黒い影も消えている。


「当たり前だ。殺すつもりなら最初の一撃で終わっている。しかし、最後の火球は少々効いた。人族にしては、なかなかやるな。」


(そんな気は薄々していた。転移で急所を狙われてたらひとたまりもない。本気だったら初手で詰んでた。しかし、あの火球を少々って…。)


「この精霊に感謝しろ。お前をスキルで回復していた。」


〔私の『樹命』に感謝するの。〕


リュネアはクルクルと、ソウの周りを回る。


「ありがとうリュネア。おかげで助かったよ。」


(この鬼、精霊とも話せるのか。)


とりあえず戦闘になることはなさそうだ。


俺は鬼に視線を向け、


「俺の名前はソウ。もし良ければ名前を聞いても?」


「……ソウ。やはりお前は変わった人間だな。我は鬼族のロウキョウ。」


(見た目通り鬼族だったか。)


「えーっと、鬼族のロウキョウさん。聞きたいことが沢山あるんだけど。」


「ロウキョウと呼べ。」


(ロウキョウ…変わった響きの名前だな。)


(識想)


朧響

Lv??

種族 ???

職業 ???

適性 ???

スキル

???

ーーー


(おぉ、漢字表記の名前だったか!朧響。それだったらしっくりくる気がする。)


俺がもともと日本人だからだろうか…文字で見ると和風っぽくて親しみが湧く。


「では改めて…朧響、そんなに強いのに、なんで森の魔物を集めてたの?」


今回の森の異変について尋ねる。


「ん?我は知らんぞ?」


本気で分かっていないという表情だ。


「ってことは異変の原因はオークか、スキルの『指揮』で森の魔物を集めてたのか。迷惑なやつめ。」


(森の異変と朧響は別件か。)


「…いやいや、ならなんであのタイミングで現れたの!?めちゃくちゃ俺が率いてますみたいな感じだったじゃん!世界の理を覆した者はお前かって、いきなり襲いかかってくるし。」


朧響に苦言を言う。


「あぁ…何やら騒がしいなと思って向かっただけだが……いきなり襲いかかったことに関しては謝罪しよう。探していた者がやっと見つかったのだ、力を見てみたくなってな。」


(八歳の人間の子供に何してんだ。まさしく鬼だな。)


『鬼です。』


(いや、まぁそうなんだけど、そう言う意味じゃなくて。)


『………?』


話が進まなくなりそうなのでイデアさんはスルーする。ごめん、イデアさん。


俺は朧響を非難の目で見つめる。


「まぁ……今回の件で、自分がまだまだ未熟だって分かったから許すよ。だけど、いきなり襲いかかってきたんだから事情は説明してくれるんだよね?」


朧響はこちらを見つめ、鬼族について話し始めた。


第37話 終

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