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妄想好きの転生者。〜他人の職業を目覚めさせ、世界の理を覆す〜  作者: イソ3


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第35話 村の防衛

ソウが森で魔物に奇襲を仕掛けた頃…


ドォン!


森の方から大きな音が響く。


レオンは森に視線を向けて、


「いったい森で何が起きているんだ…。」


今まで森から聞いたことのない音に、顔を曇らせる。


森からの音を聞き、ハロルドはすぐ『号令』を発動する。


「エリク…魔物の気配はどうじゃ?」


村の外で気配察知を発動しているエリク。


気配はまだ無いと合図を送る。


「うむ…しかし、いつ魔物が来るかわからん。戦闘職の者は外で魔物の襲来に備えてくれ。非戦闘職の者は村の中で各自準備を。カイルとティア、其方らには村の入口で待機してくれ。もしも魔物が掻い潜ってきたら頼むぞ。まぁそんなことは外の者がさせんと思うがの。」


ハロルドは戦闘職の大人たちに『鼓舞』を発動する。


「言ってくれるじゃないか村長!」


ガレスを始め、戦闘が初めての者も次々とやる気を出す。


皆がそれぞれ持ち場に着いた頃、エリクが大声をあげながら、


「魔物の気配が近付いて来たぞ!十数匹はいると思う!外は頼んだぞ!」


慌ててこちらへ走ってくる。


エリクの言葉通り、森から魔物が次々と現れ、低木や背の高い草などに身を隠しながら村へ近付いてくる。


ハロルドは事前に皆から聞いた戦闘スキルを頭に浮かべて再度、『号令』を発動する。


「魔物は地形を利用しながらこちらへ向かって来ておる!ローザさん!『祈祷』で皆に力を与えるのじゃ!」


「どうか皆に、魔物と戦う力をお与えください。」


ローザは祈りを捧げ『祈祷』を発動する。


祈りを聞いた者たちは淡い光に包まれ、


「おぉ!身体の奥から力が湧いてくる…!」


周囲の村人たちも自分の身体を確かめるように腕を動かしている。


ハロルドは『号令』『統率』を発動しつつ、再度指示を出す。


「ノアとトーマは遠距離で『鷹の目』を使い魔物を見つけて適宜スキルで攻撃。ミーナさんも遠距離から『氷壁』や『氷結』で援護を。マルクは職業を持ったばかりじゃ、レオンと共に行動してくれ。レオン!マルクを頼む!ガレスは遠距離部隊に魔物が近寄らないよう守るのじゃ!」


皆は頷く。


その直後、魔物たちが一斉に動き出した。


ノアとトーマは『鷹の目』を発動する。


「見えた!」


草木に隠れている魔物の姿を捉える。


「一点射撃!」「狙撃!」


それぞれの矢は、隠れながらこちらへ向かってくるブラックウルフとホーンラビットを射抜く。


レオンとマルクの元へは剣を手にしたゴブリン、棍棒と盾を構えたゴブリン、ブラックウルフ三匹が次々と襲いかかってくるが、


すかさずミーナは杖を構えて、


「氷壁!」


ゴブリンたちとブラックウルフを氷の壁で二手に分断する。


「マルク!ゴブリンを頼む!マルクの槍の方がリーチは優っている。機動力のあるブラックウルフは任せてくれ。」


そう言うとレオンはブラックウルフ三匹に切り込んで行く。


「かかってこい!ゴブリン!」


マルクは襲い掛かってくるゴブリンに槍を構える。


ゴブリンは剣を振り上げ、斬りかかってくるが、『槍術』で剣を払いのけ、


「乱れ突き!」


剣を払われ、体勢を崩したゴブリンを撃破する。


棍棒で盾を叩きながら、もう一体のゴブリンが突撃してくる。


「槍払い!」


ゴブリンの足元目掛けて槍を振り抜く。ゴブリンは足をすくわれ転倒し、その隙にとどめを刺す。


ブラックウルフに切り込んでいったレオンは、三匹のブラックウルフの連携攻撃を剣で軽々いなし、体勢を崩したブラックウルフから一匹ずつ確実に倒していく。


ガサガサ!


ミーナの方へブラックウルフとホーンラビットが二匹ずつ向かっていく。


「させるかよ!挑発!」


ガレスは剣と盾を構えてスキルを発動する。


ブラックウルフとホーンラビットは一斉に向きを変え、ガレスへ向かってくる。


その隙をつき、ノアとミーナは、


「狙撃!」「氷弾!」


矢はブラックウルフへ、氷の礫はホーンラビットへ命中し一匹ずつ仕留める。


ガレスは残ったブラックウルフを『カウンター』で切り捨て、ホーンラビットの攻撃を『盾防御』で防ぐ。


ガレスが『盾防御』で防いでいるホーンラビットを、トーマが『狙撃』で射抜いた。


魔物たちは村へ迫ることすらできず、次々と倒されていく。


苦戦することもなく、あまりにもあっさりと戦闘が終わった。


レオンは森の方へ視線を向ける。


「これで終わり…なのか?」


ハロルドは、


「エリク、魔物の気配はどうじゃ?」


エリクは『気配察知』を発動し、


「村長!もう魔物の気配はしません!これで全部です!」


「もう気配はしないそうだ!想定していたよりも魔物が少なくて良かった!我々の勝利じゃ!」


「よっしゃー!」「勝ったぞ!」「村を守れたんだ!」「守ってくれてありがとう!」「信じてたぞ!」


村の外からも中からも喜びの声があがる。


戦闘が終わり、カイルとティアは安心した表情を浮かべたが顔を合わせてハッとなる。


「「ソウがいない!」」


二人は慌てた様子でレオンの元へ向かいソウがいないことを伝えると、


「なんだって!?……戦闘前の音…まさか一人で森に!」


レオンは森へ走り出す!


「無事でいてくれよ!ソウ!」


第35話 終

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