第3話 この世界には職業がある?
(なんだ今のは?)
ダリオさんに浮かんだ文字を思い出し、今度はレオンを見る。
何も浮かばない。
(本当になんだったんだ…いろいろ確かめる必要がありそうだ。)
それから半年が経った。
俺は一人で歩けるようになり、言葉も少しだけ話せるようになっていた。
レオンやエレナに抱かれながら外へ出るたびにいろんな人を見ているが、ダリオさんを見る時だけ
ダリオ
Lv 30
農民
……
すぐに消えてしまうが、見るたびに消える速度が遅くなってる気がする。
レベルの下にも何か表示されそうだが、まだ読めない。
家の中を歩き回りながら、無意識に腕を組み顎へ手を当てる。
レオンとエレナは、腕を組みながら歩き回る俺を見て笑っている。
一歳半の子がこんなポーズをしていたら普通なら驚くと思うんだけど…。
「見てみて!あなた!うちの子めちゃくちゃ可愛いんですけど〜。」
「そうだね!あんなに小さいのにすでに何かを考えている!うちの子は賢くなるぞ。」
この通りの親バカである。
「パパママ、今日もお外でお散歩ちたい。」
パパママ呼び、上目遣い、辿々しい話し方、トリプルコンボを今日も叩き込む。
即座に
「いいでちゅよー、パパとママとお散歩ちまちょうねー。」
「お部屋ばかりじゃ退屈だものね〜。三人でお散歩しましょうか。」
「うん!」
効果抜群である。
城壁もない、のどかで小さな村。
二十軒ほどの木造りの家が並び、畑で農作業する大人たちに挨拶をする。
村の子どもたちは外で自由に遊び回っている。
村の外れには古びた祠がある。
苔むした石の周りに木で祠を造り祀っている。
木で囲われた苔むした石へ供え物をするのが、この村の風習らしい。
祠を後にし、ふと村の入り口にいる剣を背中に背負っている冒険者を眺める。
???
Lv 24
戦士
……
すぐに消えてしまう。
別の人で頭に浮かぶのは初めてだ。
名前がわからない人には???が表記される仕組みなのか?
(なら…)
すぐにレオン、エレナを眺める。
レオン
Lv 42
剣士
……
エレナ
Lv 38
治癒士
……
(農民だけじゃなかった…剣士、戦士、治癒士。職業が違うしレベルもある。ゲームみたいな世界観なのか?)
見える世界が少しずつ広がっていく。
…やっぱり異世界って最高だ。
(それとレオンは戦士じゃなくて剣士だったか。)
妄想は外れたが、それはそれで面白いと笑みが溢れた。
(なら俺の職業はなんだろう?)
この答えを知るのは、もう少し先の話だった。
第3話 終




