第27話 森へ
「ソウ!ティア!早くしないと置いていくぞー!」
カイルは遠出するのがよほど嬉しいのか、いつもより歩幅が広い。
「もっと周りに気をつけないと危ないわよカイル!」
と注意しつつも、いつもより軽快に歩く。
ティアも遠出が嬉しいようだ。
「待ってくれよ、カイル!ティア!」
俺もそんな二人に追いつく。
監督役として後方にはガレスさんとノアさんが付いてきている。
今回、二人は見守るだけだ。
目的地は森。
今日はブラックウルフを俺たちだけで討伐する。
数ヶ月前にガレスさんとノアさんと一緒に討伐しているので、戦い方は分かっている。
森の手前で、ホーンラビットの群れと遭遇する。
以前なら警戒していた相手だが、今の俺たちにとっては脅威ではない。
突進を難なく躱し、それぞれの武器で次々と倒していく。
素材の角や毛皮、魔石を回収しつつ目的地の森へ辿り着く。
周囲を確認すると、
「よし、ブラックウルフが二頭。予定通りだな。」
まだブラックウルフには気付かれていない。俺は二人に合図する。
カイルが前衛。ティアが後衛。俺は状況に応じて動く。
俺たちはこの陣形を意識する。
俺は皆のステータスを再度確認。
(識想)
カイル
Lv12
種族 人間
職業 戦士
適性 戦士
スキル
溜め斬りLv2
回転斬りLv2
土爪Lv1
ティア
Lv12
種族 人間
職業 魔法使い
適性 魔法使い
スキル
火球Lv2
魔力操作Lv2
火柱Lv1
ソウ
Lv24
種族 人間
職業 想士
スキル
想
派生スキル
識想Lv3
共想Lv2
共想対象4
想力+40%
共有スキル
火球Lv3
魔力操作Lv3
裁縫Lv2
糸加工Lv3
挑発Lv3
盾防御Lv3
樹命Lv2
樹木操作Lv2
二人とも、この三年間の訓練で新しいスキルを一つずつ習得している。
俺は訓練がない日も村をこっそり抜け出し、日夜レベルを上げていた。
(自分のレベルやスキルにレベルがあるなら何としても上げたいと思うのがゲーマーだよな!)
『………。』
声なきツッコミが聞こえた気がした。
(識想)
ブラックウルフ
Lv12
種族 狼種
スキル
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正直余裕なので、俺は二人のサポートに徹する。
「ティア。」
ティアは頷くと、杖をブラックウルフに向ける。
「火球!」
火の玉は杖の先端から一直線に飛んで行き、ブラックウルフに直撃する。
距離が遠過ぎたのか威力が弱まり倒しきれないが、先制攻撃としては上出来だ。
戦闘開始である。
火球が直撃していないブラックウルフがこちらに向かってくる。
カイルは近付くブラックウルフに
「土爪!」
斧を地面へ叩き付ける。
ドガンッ!
地面が揺れ三本の亀裂が走る。
亀裂から土が噴き上がり、まるで巨大な爪が地面を裂くように進み、ブラックウルフを切り裂く。
ブラックウルフは毛皮と魔石を残し光となって消えた。
残り一体、どうやら俺がサポートする必要はないようだ。
そう思った瞬間だった。
ガサッ…ブラックウルフの背後の森から薄緑色の肌に茶色い腰巻、手に棍棒を持った小人のような魔物が二体現れた。
(あの見た目はゴブリン!?)
第27話 終




