第24話 それぞれの力
「よくやったぞ!カイル。回転斬りは範囲攻撃だから囲まれた時にも役に立つ。溜め斬りは溜める動作がどうしても入るから相手の隙をつくことを意識して繰り出すと良いぞ。」
レオンは指導者らしくスキルの特徴や使用するタイミングを教えている。
「はい!レオン先生!あと、このゼリーの塊と石はなんですか?」
「それは倒した魔物が落とす素材だ。石は魔石と言って生活に欠かせないんだ。例えば火を起こしたり、夜を明るく照らしたりと様々なところで役に立つ。そのゼリーの塊は回復薬などの物を作る素材の一つだ。」
「へぇー…素材ってすごいんだな。村の役に立つならこれからも頑張ります!」
カイルは力いっぱいガッツポーズをとる。
「私も負けてられないわ!」
カイルに触発されティアもやる気満々だ。
ガサ…。
少し離れた場所から音が聞こえた…スライムである。
「ちょうどいい。ティア、気付かれる前に倒してしまおう。」
「はい!」
ティアは木の杖をスライムに向ける。
先端に魔力が集まり熱くなる。
「火球!」
杖の先から火の玉がスライム目掛けて飛んでゆき直撃する。
スライムは消滅し、ゼリー状の塊と魔石を落とす。
「良いぞ!ティア。火球は基本的に離れた場所から攻撃するスキルだな。敵との距離、仲間との位置取りが大切だ。」
「はい!レオン先生ありがとうございます。」
「最後はソウか…?」
レオンが近づいてきて耳元で、
「ソウのスキルって職業を与える力じゃなかったっけ?戦闘の訓練に着いてきているけど攻撃スキルもあるのか?」
「大丈夫だよパパ…じゃなかった、先生。」
レオンは一瞬嬉しそうに目を細めたあと、少し照れくさそうに笑っている。
ガサ。
またも遠くから音が聞こえる。…スライムだ。
(そう言えば魔物に識想って使えるのか…?)
(識想)
スライム
Lv1
スキル---
(魔物にも使えるのはすごい!強さの基準が判るのは大きいぞ。)
そんなことを考えながら俺はその辺の木の枝を拾うとスライムへ向ける。
枝の先に魔力が集まる。
「火球!」
枝の先からティアよりも一回り大きな火球が飛んでいき、スライムに炸裂した。
(……え?この前はティアと同じくらいのサイズだったのに何で大きくなってるんだ?……思い当たる節は【想力+30%】くらいしかないけど…なにこれ、スキル威力が上昇するの!?常時発動のバフ効果とか強すぎじゃん!)
「前は同じくらいの大きさだったのに何で大きくなってるの!?」
ティアは驚いて目を開く。
「さすがソウだぜ!」
カイルはいつもの調子だ。
レオンは驚きで口をポカンと開いていたが、正気に戻る。
「…ソウも、ティアと同じように敵との距離と仲間との位置取りが大切だ。」
「ありがとうございます!」
「よしっ!今日はここまでだ。あまり初日から無理しても体に良くないから今日は帰るぞ。」
(危ない危ない…。共有スキルのことはまだなんて説明したら良いか分からないからな。)
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それから三年が経ち、俺たちは八歳になった。
そして明日、いつもより少し遠くまで冒険することになった。
第24話 終




