第15話 共有
俺は目をこすりながら寝ぼけ眼で部屋を出る。
昨日の件でかなり疲れていたみたいだ。
「おはようソウちゃん。ご飯できてるわよ。」
とおっとりしたエレナ。
レオンは笑いながら、
「なんだソウ、お寝坊さんかぁ?」
レオンとエレナはいつも通り接してくれる。
「おはよう、パパ、ママ。眠るのが気持ちよくて寝過ぎちゃった。」
(疲れてて眠いとかいったら心配されそうだな。)
俺は咄嗟に誤魔化す。
「寝る子は育つというからな、しっかり寝て大きく育つんだぞ。」
皆で食卓を囲み朝ごはんを食べる。
「「「いただきます。」」」
とても優しい両親だ。
朝食を食べ終えて、俺は外へ出る。
昨日の頭の声を思い出す。
『可能性への干渉…完了。』
『世界の理の一部を覆しました。』
『共想対象 1。』
『新たな可能性が解放されました。』
『想力 +10%』
「ティアが魔法使いになった途端の共想対象1だから…多分スキルを発動させた人数のことだよな…?」
「新たな可能性の解放も気になる。」
「それと、想力+10%。なにかしらのパラメータボーナスってところか。」
「そしてなにより世界の理の一部を覆すって…言い方物騒すぎるだろ!やめてくれよ?神様がでてくる展開とか。」
ティアを救えてホッとした俺の妄想は今日も絶好調みたいだ。と笑みが溢れる。
「神様がなんですって?」
「うわー!?って…ティアか、急に驚かさないでよ。」
「遠くから呼んでも全然反応しないんだもん。笑いながら独り言言ってるし。」
(笑いながら独り言か…以後気をつけよう。)
「そ…そんなことよりどうしたの?」
「そうだった、今日は魔法の練習に付き合って!」
ティアは明るさを取り戻し、やる気に満ち溢れている。
一緒に人気のない開けた場所へ移動する。
(識想)
ティア
Lv1
職業 魔法使い
適性 魔法使い
ーーー
スキル 火球Lv1
魔力操作Lv1
「えっ!」
思わず声が出てしまった。
(スキル項目とスキルが見える!?)
「ソウどうしたの?」
「ごめんごめん、なんでもないよ。ティアの魔法が見てみたいな。」
「昨日ステータスを見たら、新しいスキルが増えてたの!」
ティアは木の枝を振りつつ
「火球!」
ポッと小さな火の玉が出て木にぶつかる。
木の表面は剥がれ少し焦げている。
「すごい!攻撃魔法だ!!」
この世界に来て初めて攻撃魔法を見た俺は興奮する。
(異世界最高!!!)
心の中でさらに叫ぶ。
「すごいでしょー!」
ティアは胸を張ってピースした。
「いいなぁ。ティアは魔法が使えて。俺も魔法が使えたらなぁ。」
そう呟きながら木の枝を拾う。
「火球!」
木の枝の先に温かい感覚が走る。
次の瞬間。
ポッと小さな火の玉が出て木にぶつかる。
「………へ?」
「すごい!さすがソウだね!ソウならなんだってできる気がする!」
ティアは嬉しそうにはしゃぐ。
俺はまだ木の枝を見つめて、
(…なんで使えたんだ?)
その瞬間、いつもの声が頭に響く。
『共有スキルを獲得。』
ソウ
Lv 1
職業 想士
スキル 想
派生スキル 識想Lv2
共想Lv1
共想対象 1
想力+10%
共有スキル 火球Lv1
魔力操作Lv1
第15話 終




