第1話 最終選考
10話位を目安にしております。
短いですが、楽しんでもらえると幸いです。
こちら毎日の更新が難しいかもしれません、ご了承ください。
ある一流企業が、中途採用の求人を出した。
誰もが知る、超一流のホワイト企業。
待遇は良く、給与も高い。福利厚生も充実しており、一度この会社に入れば、退職する者はほとんどいない。
これまで採用条件は「大卒以上」。
しかし今回、その条件が大きく変わった。
中途採用を認め、さらに学歴不問。
中卒者であっても応募可能となったのだ。
当然、求人には応募が殺到した。
その数――1000人以上。
書類選考、そして面接。
厳しい選考を勝ち抜き、最終選考へ進むことを許されたのは、わずか50人だった。
50人には、同じ場所へ来るよう指示が出された。
その場所は――。
会社が所有する、無人島。
そして、そこへ向かうための条件が1つだけあった。
荷物の持ち込みは禁止。
財布も、スマートフォンも、着替えも。
何1つ持たず、身1つで来ること。
この条件に不審を抱き、最終選考への参加を辞退した者もいた。
結果として、指定された日に無人島へやって来たのは――40人。
50人中、10人は来なかった。
この10人は、正しい判断をしたのかもしれない。
島へ到着した40人を待っていたのは、一切の説明ではなかった。
係員から、全員に1つずつバッグが手渡された。
「指定された場所まで移動してください」
それだけだった。
参加者たちは困惑しながらも、言われた通りに島の奥へ進んでいく。
そして指定された場所へ到着すると、係員の指示に従ってバッグを開けた。
――その瞬間。
誰もが言葉を失った。
バッグの中に入っていたのは、
銃器。
弾薬。
防弾チョッキ。
そして、一通の封筒。
「……なんだ、これ」
誰かが呟いた。
別の男が銃を取り出す。
「実銃……?」
周囲がざわめき始める。
震える手で封筒を開ける者もいた。
中に入っていた紙には、たった一文だけが書かれていた。
『最後の1人になったら、重役を任せる』
「……は?」
誰かが笑った。
「馬鹿げてる」
別の参加者は、銃をバッグへ戻した。
「こんなの、まともな会社がやることじゃないだろ」
一方で、防弾チョッキを着込み、武器を手にする者もいた。
「本気なのか……?」
「殺し合えってことかよ」
「仲間を探そう!」
「いや、こんな場所で誰を信用できるんだ!」
40人の反応は、それぞれ違っていた。
武器を捨てる者。
逃げようとする者。
仲間を探す者。
そして――。
最初から殺す覚悟を決める者。
誰も知らなかった。
この島から生きて帰るためには、
最後の1人にならなければならない。
そして、この試験を見ている者たちがいることを。
無人島に設置された監視カメラ。
その映像を、会社の一室にある巨大なモニターが映し出していた。
そこには40人の姿が映っている。
1人の重役が、静かに口を開いた。
「始まりましたね」
隣に座る社員が答える。
「はい。最終選考を開始します」
モニターの中で、1人の参加者が銃を手に取った。
そして――。
乾いた銃声が、無人島に響いた。
こうして、殺戮の就職試験が始まった。
今後もよろしくお願い致します。




