i = 6; s_x[1] //変質した知識の書庫
「ここにあるものを、何も変えることはできん。
絶対的な知識の書庫じゃ。
しかしいつからか、変わりはじめておる。本は増えるばかりでのう。
本を置く棚も足りんし、整理する時間も足りん。
埃を積もらせてはいかん。」
数えきれぬほどの書棚に埃が積もらぬよう、絶えず埃を払いながらこの棚からあの棚へと忙しなく動き回る老人が叫んだ。
彼は小さな金色の円盤に乗って宙に浮き、次の書棚へと移りながら語った。
「さて、何を探しておると言っておったかの?」
私は彼が向かう方へ顔を向けながら言った。
「どうすれば次の層へ行けますか?」
少し止まった彼は、考えているのか、手に持った埃払いを虚空にゆっくりと振りながら周囲を見回し、語った。
「はは、さあのう。これだけ多くの本の中から探せば、あるじゃろうよ。確かにのう。」
森と見紛うほど多くの、木でできた書棚には、びっしりと色とりどりの本が挿してあった。
私は本の森で道に迷わぬよう老人についていきながら尋ねた。
「どんな本ですか?」
彼は休む間もなく本の埃を拭いながら、上へ上へと登っていった。
いつしか彼の姿は見えなくなり、部屋に響く声だけが聞こえてきた。
「さあのう。確かなことはのう。この本たちの中に、答えがあるはずじゃ。
しかし、わしにはそれを探す時間がない。
整理をしなければならんでのう。もちろん答えはこの本たちの中にあるじゃろう。
わしはすべてを持っておる。」




