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「トッド」
「ぼく」をそう呼ぶのは、目の前にいるベインという存在だ。
彼がぼくをそう呼んだ。
慣れ親しんだ音の中に——いつ目を開いたのか、いつからここにいたのかもよくわからない——異質な音が聞こえた。そのとき、ぼくは自分の存在を意識しはじめた。
「あのとき、なんでぼくを呼んだの?」
ベインに聞いた。
「なぜ? ふむ……」
彼はいつだって迷いなく答えてくれる——もちろん、その答えはぼくにまた無数の問いを生じさせるのだけど——はずだった。
今回は、少し時間がかかりそうだった。
「ふむ……さあ……」
ベインをぼんやり見つめていると、深く考え込んでいるぼくに気づいたベインが、ぼくの頭を撫でながら言った。
「さあね。ただ、あのときぼくの目の前にいるきみを呼んでみたかったんだ。トッドって」
「ぼくがベインであるみたいにね」




