2913話 ここまでする必要があったかは、考えない。
本来の姿で……迷惑を掛けた街の方に現れたのかどうか。それがとっても気になった。絶対ネットで話題になってる筈だもん。
でも現在は、目の前の方々の対応が最優先。……私が時々する、影の精霊特製スマホの外部アクセサリーの眼鏡で……設定したら色々見れる様になりますけど、今は裸眼だし……何より、仮に眼鏡を掛けて、件の状態?になれたとしても……ヴァンさんは気付くだろうよ。視線で気付くのか、魔力的な気配で気付くのかは分かりませんけど……ても絶対気付くだろうよ。
「ちなみに言っておくと、風竜さんがちょっと抑え込んで……後は雰囲気ゴリ押しで、恐怖感、不安感が良い感じに神秘的な雰囲気で収まってたで。後、雲とか光とかで誤魔化してたから……街の人間さん達は、誰一人としてこの二人を直視しとらんのやで。いやぁ、ウチも頑張ったんやで。エフェクトとか。後は……粗野な。『多分、コレは自分の頭にだけ流れているんどろうなぁ……。』って思わせる、謎の神秘的な壮厳な音楽とかな。」
何故自分にだけ聞こえると、大勢に思わせる事が出来るのか?と思わなくはなかったのだけど……影の精霊と普段生活している身としては、『自分の耳元のみで聞こえる』っていうのは、ね。しょっちゅうなので。
そして影の精霊は、一つ見つけたら……その街では、もう某家庭内害虫代表のアレ以上の、とんでもねぇ増殖力だからね。あの街の住人をカバーした上で、エフェクトやら何やらをやる余裕もあるだろう。
それでなくても、影の精霊は……性格は兎も角、とんでもねぇハイスペックだからね。それが、この世界単位としたら……怖くなるから、考えない様にしよう。
街の人が、このお二方を……その姿を見る事がなかった。そして、神様としての威厳を保てた。その事実だけで良いだろう。
……オマケで、この街?ギルド?の人にも……神様的な意味なのか、『手を出したら、国際的にも物理的にも、下手したら精神的にも潰される』って言う、本能的な恐怖感からなのかは分からないけど……そう言う圧倒的強者としての威厳?は植え付けただろう。
ヴァンさんに関しては、コッチのギルドでもかなり有名だから……今更、そんな神格アピールをする必要はあるのか?と思わなくはないけど……突っ込まないでおこう。
「くっ……人前に、こんな風に現れる事がないから、凄く面倒くさ……ゴメンナサイ、ゴメンナサイ。」
ヴァンさんさんじゃない……えっと、空の方?から、ソワッとした気配を感じたか?と思ったけど……ヴァンさんからヒヤッとした気配を感じた。そして、空の方がスッと表情が抜け落ちて……カタコトっぽい謝罪をし始めた。……この状況で、この二人の上下関係が分かりますね。
空の方が……このギルドに来た時なのか、この街に来た時なのかは分かりませんが……本当にヴァンさん、空の方に何をしたのだろう。神様がこんなに怯えるとか……いや、どんだけ考えても、そう言うのは人の身では分からないか。
どうでも良いけど……私に向かってる訳じゃないのに、ヴァンさんから感じた気配で……酷く、怖くなってしまった。……まぁ、この手の気配は加減が難しいからね。こればっかりは仕方ないよね。
ヴァンさんも昔……人に合わせた気配?オーラ?の調整が出来なくて、私がちょっとクシャッとしかけた事もあったなぁ。衝撃が衝撃だったから、なんか覚えてるわ。同席してたアルベロ先生が、ヴァンさんにオーラを抑えろって言ってくれたのも、当のアルベロ先生は無傷だったのも覚えてる。まぁ、あの人は無傷だよな。
うん。……ヴァンさんからこの手の気配を感じるのが、物凄く久しぶりか、殆んど初めましてぐらいなので……動揺してしまったな。




