表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
67/77

67話 女王蜂の国

神様サバイバル11日目

殺人事件は警官達が詳しく取り調べを行う。


不知火達はディナーにきていた。

その日の夕食は豪華だった。


警察署の食堂。

かつての食堂とは思えない。


薄暗い照明。

ランタン。

ロウソク。


ふかふかのソファー。

まるで高級クラブだった。


夢見と不知火は夜の客人として丁重に扱われる。

並んだ料理を見て不知火は驚いた。


「これは……」


サラダ。

豆腐ステーキ。

野菜スープ。


そして。

ホタテ。

ハマグリ。

貝類だった。


夢見が目を輝かせる。


「海鮮ですぅ〜!」


不知火も頷く。


「貝類は肉判定じゃないのか」


久しぶりの新鮮な食事だった。

デザートにはフルーツの盛り合わせまで出てくる。

夢見は幸せそうに頬を押さえた。


「幸せだぁ〜」


食後。

不知火はふと思い出したように聞く。


「そういえば」


「君と夜さんはどういう関係なんだ?」


夢見は果物を口へ運びながら考える。


「昔のお客さんなんですけどぉ〜」


少し悩む。


「ん〜」


「言っていいのかなぁ〜」


不知火を見る。


「まぁ不知火さんならいいかなぁ」


そう言って話し始めた。


「夜ちゃん、

顔にコンプレックスがあったんですよぉ」


「私の占いというより、

Bちゃんのメイクが役立ってぇ」


夢見は笑う。


「そこから仲良くなったんですぅ」


不知火は納得した。


「そうか」


「じゃああの顔も特殊メイクなのか?」


夢見は視線を逸らした。


「それはぁ〜」


小さく笑う。


「内緒ですぅ〜」


その会話を。

飲み物を運んでいた一人の風俗嬢が無言で聞いていた。



十九時。


警察署の内部を案内される。

ここは完全に一つの街だった。


男性エリア。

女性エリア。

二階中央には夜の署長室。


基本的に許可がない限り。

男性が女性エリアへ立ち入ることはできない。


男性エリアには。

賭博場。

筋トレルーム。

射撃場。

雑魚寝部屋。


女性エリアには。


化粧部屋。

美容室。

エステ。


そして。

プレイルーム。


不知火は首を傾げた。


「プレイルーム?」


案内役の女性が笑う。


「行けば分かりますよ〜」


不知火は嫌な予感しかしなかった。



夢見は夜と話があると言って署長室へ向かった。

一人になった不知火は警察署内を歩く。


やがて。

賭博場へ辿り着いた。

扉を開いた瞬間。

歓声が響く。


「よっしゃああ!」


「倍だ倍だ!」


「全部乗せろ!」


警察官達が熱狂していた。


ポーカー。

ブラックジャック。

バカラ。

ルーレット。

丁半。


果てはスロットマシーンまである。

不知火は呆れた。


「法律が無いと」


「なんでもありだな」


すると。

近くの警察官が笑った。


「兄ちゃん」


「一勝負どうだ?」


不知火はテーブルを見る。


「何を賭けてるんだ?」


男はチップを指で弾いた。


「チップさ」


壁を見る。

そこには表が貼られていた。

チップ交換表。


チップ10枚

シルバーチケット1枚


チップ50枚

ゴールドチケット1枚


チップ100枚

プラチナチケット1枚


さらに。

女性達の写真付きリスト。


シルバーランク。

ゴールドランク。


そして。

プラチナランク。

一人だけだった。

花魁夜。


不知火は眉をひそめる。


「これは……」


男は笑う。


「夜さんと2人きりになる権利だよ」


「もちろん簡単には会えねぇ」


「だからみんな必死になる」


不知火は別の疑問を抱いた。


「チップはどうやって手に入れる?」


男はタバコを咥える。


「労働だよ」


「風俗嬢達の欲しい物リストがあってな」


「最初に持ってきた奴にチップが払われる」


「食料、日用品、燃料」


「なんでもだ」


男は肩を竦める。


「法律は消えた、給料も無い」


「でも欲は消えねぇ」


不知火は周囲を見渡した。

誰も強制されていない。

誰も鎖で繋がれていない。


それでも。

皆ここに残る。


欲しい物があるから。

叶えたい願いがあるから。


その中心にいるのが。

花魁夜。

男は笑った。


「まぁ兄ちゃんは客だ」


ポケットからチップを一枚投げる。

不知火は受け取った。


「サービスだ」


「楽しんでけ」


不知火はチップを見る。

そして壁を見る。

プラチナチケット。


その先にいる一人の女性。

花魁夜。


「ふむ……」


倫理教師は考え込む。

ギャンブルなどしたことはない。


だが。

少しだけ興味が湧いていた。

消滅ワード


1日目 “法律 ”

2日目 “ 電気”

3日目 “ 罪悪感”

4日目 “ 鍵”

5日目 “ 痛覚”

6日目 “ 肉”

7日目 “ 地図”

8日目 “ 鏡”

9日目 “ 約束”

10日目 “ アルコール”

11日目 “ 血の繋がり”

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ