表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
62/67

62話 運命の強さ

神様サバイバル10日目


【人類残り42%】

10日目の夜。


古民家。


夢見の正体発覚からしばらく経ったが、未だに不知火達はどこか落ち着かなかった。


理由は単純だった。

目の前でタバコを吸っていた女が。


数秒後には。


「タバコ嫌いですぅ」


と言い出したからである。


「……慣れねぇな」


盗丸が呟く。

夢見は首を傾げた。


「何がですかぁ?」


「全部だよ」


即答だった。


廃人は腕を組んで唸っていた。


「魂レベルか……」


「なんなんだよ、それ」


的場が隣で焼きおにぎりを食べている。


「おれも気になる」


「なんかレベルアップすると強くなるらしいぞ」


廃人は頭を抱えた。


「神様通話使えば聞けるんだろうけど」


「気軽に使えねぇんだよなぁ……」


そこで。

夢見が反応した。


「魂がどうかしたんですかぁ?」


廃人は説明する。

防衛キーワード。

能力。

魂レベル。

的場の“ 不屈”。


そして。

刑務所で起きた出来事。

夢見は静かに聞いていた。

やがて。


「あぁ」


小さく頷く。


「それなら分かるかもしれませんねぇ」


廃人が顔を上げた。


「え?」


夢見は少し考える。


「昔、おばあちゃんが言ってたんですぅ」


窓の外を見る。

どこか懐かしそうに。


「運命っていうのはね、魂の強さで変わるの」


「だから運命の強い人は魂が強いのよ」


静かに続けた。


「占いでは運命の強さを見るんですぅ」


「だからぁ……」


「数字に置き換えれば近いものは分かるかもしれませんねぇ」


廃人の目が輝く。


「マジ?」


夢見は頷いた。


「的場さんを基準にしましょうかぁ」


「的場さんが魂レベル30くらいだと仮定してぇ」


みんなの顔を見る。


そして。

一人ずつ答えていく。


「楓ちゃんは15」


楓。


「低っ」


「普通ですよぉ」


夢見は笑った。


「医楽さんは20」


医楽が鼻を鳴らす。


「ほぉ」


「盗丸さんも20」


盗丸。


「おれじいさんと同じか」


「的場さんは30」


的場が胸を張る。


「やっぱ高ぇな」


「基準ですからぁ」


夢見は続ける。


「ピエロさんも30ですねぇ」


ピエロは無言で親指を立てた。


そして。

夢見の視線が不知火へ向く。

少しだけ目を細める。


「不知火さんは……」


「120」


全員。


「は?」


空気が止まった。

楓が二度見する。


盗丸も振り返る。

的場が吹き出した。


「120!?」


「やばっ!」


「チートじゃねぇか!」


不知火本人も驚いていた。


「そんなにあるのか?」


夢見は肩を竦める。


「あくまで占いですよぉ」


「運命の強さを数字にしただけですぅ」


それでも。

120は異常だった。


廃人が身を乗り出す。


「おれは?」


夢見の表情が曇る。


「ん〜……」


「言いづらいんですがぁ」


廃人。


「うん」


夢見。


「廃人さんは」


一拍。


「ゼロですねぇ」


沈黙。

廃人。


「は?」


夢見。


「ゼロですぅ」


廃人。


「ゼロ!?」


夢見。


「はぃ〜」


廃人。


「死んでるじゃん!!」


的場が爆笑する。

楓も笑う。

盗丸まで肩を震わせていた。


夢見は慌てる。


「べ、別に希望がないとかじゃないですからぁ!」


「本当に何も見えないんですぅ!」


廃人だけ納得がいかなかった。


「なんだよそれぇぇ!!」


やがて。

時計の針が重なる。


0時。

全員の個人モニターが光った。


「来たか」


廃人が顔を上げる。


次の瞬間。

見慣れた姿が現れた。

神だった。


『やぁ』


『神だよ』


いつもの軽い口調。

神は笑う。


『みんなさぁ』


『自分の子は可愛い』


『自分の子は賢い』


『自分の子は特別だって思うじゃん?』


誰も答えない。

神は続ける。


『じゃあ聞くけどさ』


『自分の子ってなに?』


沈黙。


ピエロだけが無言で神を見つめていた。

神は嬉しそうに笑った。


『よし』


『決めた』


両手を広げる。


『神様サバイバル11日目』


『消滅するのは』


一拍。


『“ 血の繋がり”』


全員が固まる。

神は構わず続けた。


『他人が他人を産んで』


『他人が他人を育てる』


『ん〜!』


『優しい世界だね!!』


誰も笑わない。

神だけが楽しそうだった。


そして。

消える直前。

思い出したように振り返る。


『あっそうだ』


『14日目』


『また特典用意してるから』


『頑張ってね』


神は消えた。

消滅ワード


1日目 “法律 ”

2日目 “ 電気”

3日目 “ 罪悪感”

4日目 “ 鍵”

5日目 “ 痛覚”

6日目 “ 肉”

7日目 “ 地図”

8日目 “ 鏡”

9日目 “ 約束”

10日目 “ アルコール”

11日目 “ 血の繋がり”

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ