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40話 ごめん

神様サバイバル8日目

乾いた銃声が、連続して響いた。


パンッ!!

パンッ!!

パンッ!!


「ぐぁっ!!」


「うわぁぁ!!」


黒闇の部下たちが次々に倒れる。


撃ったのは、

奴隷として使われていた男たちだった。


怒り。


憎しみ。


恐怖。


全部混ざった顔。


黒闇の部下たちは、

抵抗する暇もなく崩れ落ちていく。


ホームセンターに静寂が訪れた。


一人の男が、

銃を握ったまま不知火たちを見る。


不知火は身構える。


だが。

男は銃を下ろした。


「……撃たねぇよ」


荒い息。


「お前らのおかげだ」


「家族を取り戻せた」


「ありがとうよ」


不知火は何も言えなかった。


男たちはそれぞれ、

女子供の元へ向かう。


「帰るぞ」


「もう大丈夫だ」


「パパだぞ」


笑おうとしている。


だが。

その笑顔はどこか歪だった。


不知火の目に映った。

ある女の腕。

痣。


古いもの。

新しいもの。

いくつも。


子供が、

父親の顔を見て怯えている。


手を引かれる。

母親は逆らえない。


また、

家族として連れていかれる。


的場がぽつりと呟いた。


「なぁ」


不知火を見る。


「これって……正義か?」


不知火は答えられなかった。

家族は一緒の方がいい。

そう思っていた。


当然だと。

でも。

本当に?


本人が望んでいるのか?

殴られても?

毎日泣いても?


それでも、

家族なら戻るべきなのか?


不知火の中で、

正義がぐらつく。


そのときだった。

華。

母親。


そして。

今の父親。

三人が歩き出す。

華の手を引く男。


その姿を見た瞬間。

ピエロが動いた。

走る。

止めるように前へ。


「お?」


男が止まる。

華の父親。


「なんだこのピエロ」


鼻で笑う。


「もう終わったんだよ」


「俺たちは家族だ」


嫁を見る。


「……だよな?」


怯えた嫁。

頷く。

華は母親にしがみついていた。


ピエロは止まる。

それ以上、

動けなかった。


声も出せない。


ただ。

見ているしかなかった。


黒闇が、

血を吐きながら笑った。

まだ生きていた。


「……守りてぇもんがあるってのは」


苦しそうに立ち上がる。


「幸せなんだよな」


不知火が叫ぶ。


「おい!動くな!!」


黒闇は聞かない。


「だから」


銃を拾う。


「手ぇ汚すのは、おれでいい」


パンッ!!


銃声。


華の父親の頭が揺れる。

そのまま崩れ落ちた。

時間が止まる。


「きゃぁぁぁぁ!!」


華の母親。

華の悲鳴。


返り血。

ピエロの白塗りを赤く染めた。


奴隷だった男が叫ぶ。


「まだ動けたのか!!」


パンッ!!

パンッ!!


黒闇の胸。

腹。


さらに血が吹く。

黒闇が崩れる。


「黒闇!!」


不知火。

的場。

盗丸。


駆け寄る。

黒闇の呼吸は浅い。


もう長くない。

不知火が抱える。


「おい!!」


黒闇の視線。


その先。

華。

泣いている。


ピエロ。

立ち尽くしている。


黒闇が、

かすかに笑った。


「……助けられなくて」


血。


「……ごめん」


そこで。

意識が落ちた。

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