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第145話 伝令指示 ①

翌朝。

陽太の部屋では、机のモニターに巨大な青い星の写真と英語標識名前文字が映し出されていた。

画面の時刻が 7:15 に切り替わった、その時、

ピピッ、と机の上のMPデバイスが着信音を鳴らす。

ヘラオプス星系のイラストが描かれた白いTシャツに着替えた陽太は、部屋に戻るなり画面を確認し、表示された名前を見てすぐに通信を開いた。

デバイスの向こうに映し出されたのは、すでに白衣を身にまとった瑤妤のホログラムだった。


「おはよう、瑤妤姉さん」

「おはよう。今日は、ずいぶん早いわね?」

「はい。キングピーファピュトンが、いつまた現れるかわからないので……これから東京に向かうつもりです」

「そう。陽菜から聞いたわ。日曜日に品川スタジアムで行われるコンサート、見に行く予定なんでしょう?」

「いえ……僕たちは、コンサートには行きません」

「じゃあ、どこへ?」


「陽菜と、品川島にある〈609スクエア〉で、一日買い物をするつもりです」

「コンサートには、本当に行かないのね?」

陽太は、はっきりと首を横に振った。

「行かない。さっきニュースを見ました。昨晩、ネオアンカレッジやウエレン、コネルギノが次々に襲われて……キングピーファピュトン、さらに巨大化していました。

もし次に東京へ戻ってきたら、完全体になっている可能性が高い。だから、なるべく密閉空間には近づかず、すぐ対応できる場所で行動したいんです」


瑤妤は、少しだけ目を細めて微笑んだ。


「しっかり考えているのね。昨日、消防や救援隊の担当者から話を聞いたわ。陽太くんの活躍のおかげで、多くの被災者が救助されたそうよ。あなたを誇りに思う」


「……いえ。まだ終わっていません。僕のミスで、さらに多くの人が被害に遭った。だからこそ、今度こそ必ず倒します」


瑤妤はわずかに首を傾け、理知的で穏やかな口調で言葉を重ねる。


「責任を感じること自体は悪くない。でもね、陽太くん。

あなたはまだ実戦経験が浅い。そのことは、皆わかっているわ。

今は、自分にできることを、全力で果たせばいい。それで十分よ」


「……うん」

「日野くん」


不意に、気軽いに落ち着いた男の声が割り込む。

映像がズームアウトし、沖田純一の姿がホログラムに映し出された。


「ミスを犯すこと自体は、悪くない。本当に悪いのは、ミスの原因を理解せず、反省しないことだ。失敗を糧にし、次の戦いへ備える。それが責任の取り方だよ」


純一は、静かに続ける。


「君は、次に〈ナレタ〉をどう倒すか、もう考えているかね?」


陽太は背筋を伸ばし、はっきりと答えた。


「はい。体内へ突入し、内部から核を破壊するつもりです」


「なるほど。どうやら、誰かと作戦を練ったようだね。

当日、もし〈ナレタ〉が別のエリアに出現した場合は、君たちは無理に向かわず、現地で巡狩待機しなさい」


純一の意図は、陽太にもすぐに理解できた。それでも、疑問が浮かぶ。


「でも……もし別のエリアが襲われたら、誰が〈ナレタ〉を止めるんですか?」

「姫路さんに任せる。彼女なら追い払える。

機動力も高いし、東京エリア内ならすぐ駆けつけられるだろう。

そして、追い払った〈ナレタ〉は何時かきっと君の所に行くはずだ」


純一は陽太の力を信じるように目が笑って、少し柔らかい声で言った。


「手塚さんにビリーくん、斎藤くん、そしてナイト・ガーディアンズの仲間たちも、君を支えている。君は、守りたいものを守るために、戦ってきなさい」


一人ではない。

そう確かに感じ取った陽太は、胸に力を込めて答えた。


「はい。分かりました!」


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