第70話 ナキの日記とシズクの本
ナキは持っていたペンダントに精神を送り込む!
送り込まれた精神に反応しペンダントは軌跡の剣へと姿を変えた!
「シズクさん!ミカさんは私が相手します!」
「そっちの……」
……ナキは日花梨とは初対面だ……!
「オッパイさんお願いします!」
シズクはナキの指示に従って日花梨を……?
「って!ナキちゃん!何でここにいるの!?アローナの街から転移できなかったよね!?」
シズクは自分達のセカイに帰れないで困っていたはずのナキ。
しかし、カーハツヴァイの星空の間に姿を現したナキ。
「私は私達のセカイに帰れないだけです。ファバーダ側でしたら転移できます」
「あと、何より星空の間は、私にも関係する空間です」
「……何て言ったらいいのかな……私は横軸転移?シズクさんは縦軸?……まあ、私も転移出来るのです!」
「私は生きているから?横軸転移?が自力で出来ないらしいです」
シズクは静かにシルフィードソードを抜刀する――!
……そして目を閉じ考える……。
……?
シズクはシルフィードソードを横に構え。
「……ん?ナキちゃんは、よ・こ・じ・く?」
シズクはシルフィードソードを縦に構え。
「……んん?私が……た・て・じ・く?」
抜刀したシズクを観た日花梨はデスサイズを大きく振りかぶった……!
「うーん、めんどい!先にシズクちゃん!やっちゃう!かなかな!」
日花梨の殺気で一体の空間が一気に冷え込む!!
そしてデスサイズが静かに……そして確実にシズクを襲う!
シズクは日花梨の殺意に臆する所か気にも止めない!
頭を捻り、考え込みながら
「ナキちゃんが……横軸?……私が……」
シズクはファバーダ・ストーリーを取り出した!
そして片手で本を開き、数ページ目を閉じながら想う。
日花梨のデスサイズがシズクの首を跳ねる瞬間!!
「……こういう事かな?」
日花梨の動きがピタッと静止した!
シズクは眼を開き、ファバーダ・ストーリーに目を落とし記述している内容を読む。
――『シズクは……の……日花梨の……刃……』――
「本は時を超え受け継ぐ力があるって事かな……日記は……想いを書き記し伝える力かな?」
シズクは『本』能的にファバーダ・ストーリーの能力の一片を読み取った!
「ずっと、ずっと引っかかる疑問……時間が合ってなかった……」
「ナキちゃんは別として……」
シズクはナキの方に振り返ると日記を持って歩いてくるナキを確認した。
「やっぱり、シズクさんは時間なんですね。私の日記は空間転移なんです」
「でも、シズクさん。さっきののはかなり危険でしたよ?ミカさんも止まっちゃってますから良かったですが……」
「神には時間という概念が……?何て言ったらいいのかな?曖昧?」
「とにかくです。この人?ミカさんと死神さんは神様ではないって事ですね」
「……偽物というか……何方かの想いの中に迷い込んだんですねシズクさん」
「ああ!本のページめくったり、閉じたりしないでくださいね!時間動いちゃうかもですので?」
シズクはナキの日記に目をやると、日記帳が閉じた状態で持っていた。
しかし、日記帳には大きな光輝くブックマークが挟まれていた。
――ナキはシズクに1枚のブックマークを渡した……!
「ナキちゃん、ブックマーク挟んだら時間を停止したままでいられるの?」
百聞は一見にしかず……だ!
試しに挟んで本を閉じた……!
「いえ、多分ですが、ファバーダ側が停止しているなら、私達のセカイ側が『動いて』いますよ?……予想ですけど……」
「どんな影響でるか判らないので、あんまり止めない方がいいと思いますが……」
「あと、シズクさんの変異にたまたま気付いたので来られたから良かったですが……エルチェさんすっごーーーーっく!心配してましたよ!」
「もう、朝からアローナの街で大騒ぎです!」
「心桜さん?でしたっけ?心桜さんの家に入ってからいくら話しかけても、全く音信不通になっちゃって……」
「家に帰ってからも深刻な顔をしたまま私に一言も話しかけてくれなかった……と」
「深刻な顔をしたまま早朝バイクで走りってどっかへ行ったっきり、もう3日間帰ってきてないって!」
「……まるで『神隠し』にでもあったんじゃないか!……って」
「……あの……私達が神隠しに遭うのは……さすがにどうかと思いますよ……」
「……神隠しは人が遭うものです」
シズクはナキの手を握り……!
「え!!エルチェ無事なの!!」
シズクはナキの話を半分程……後半部分はぶっ飛んで『エルチェがいる!』の一点に反応する!
「……あの……私の話、聞いてました?……シズクさんって……かなりのマイペースですよね……」
「そうかな?でも、エルチェが無事ならここには用はないわ。アローナの街に行ってエルチェと合流!」
「……って、どうやって戻る?」
「そんな簡単に戻れるわけないですよ!神隠しが絶賛進行中ですよ!」
ヤレヤレ感全開でナキはシズクに現状を説明した。
「まあ、元凶は私たち以外で動いている方ですけどね!」
シズク達は……シズクは辺りを見回すと……!
「……ふむ……この元凶の原因は私なのか……」
絶望の物語……探偵、名水 花梨だけが色褪せず立っていた……!





