第69話 志那都 七海の剣<龍殺剣>と花梨の想いの剣
抜刀した花梨は閃光を超える勢いで迷うことなく七海に斬りかかる!
彼女は花梨が大切に想う七海とは別人である事を見抜いたかのように。
花梨の想いの強さは、幸村の迷いなき太刀筋でその場の皆に伝わった。
……しかし……。
花梨の想いを七海は小指一本で受け止めた!
「花梨ちゃん……酷い……私のこと忘れたの?……」
七海には花梨への記憶があるのか?
誰が見ても判るくらい判りやすいイヤな笑みを魅せる七海。
花梨は七海の表所を観てさらに苛立ちを覚える。
水の精神を見方に付ける花梨だが、今にも沸騰して爆発しそうな位感情が高鳴る!
花梨の苛立ちはもう限界に来ている。
シズクの前では終始自分を律し、冷静な表情をしていた花梨とは別人のようだ……!
――それだけ、七海への想いが強い事を自らの行動で表していた。
「貴様は何故……何故!死んだはずの七海の……七海を模倣している!」
「七海は……唯一無二のゼロ・ディバイドだ!」
「確かに……七海は……誰の一番になれなかった……」
「だからこそ招いた……災悪の時……そして犠牲になった……」
「お前は……七海の意志を……七海の想いを踏みにじるのか!」
花梨の想いを徹底的に踏みにじように七海は答える……!
「花梨ちゃん……酷いな……。私は正真正銘、紛れもなく七海だよ?」
「……器はね!」
――七海は瞬きをする間も与えないくらい光速に剣を抜刀して花梨に打ち込んだ!
七海が抜刀した剣は……。
「……龍殺剣……だと!!」
七海の居合抜きの速さは見事なぐらいだった。
しかし、七海の居合抜きの速さに劣ることなく花梨はバックステップを鮮やかにキメ、回避する!
「その剣は……七海が……何処からか手に入れた剣だぞ!!」
意味深な表情をし七海は龍殺剣を抱きかかえるように持った……。
「花梨ちゃんは、私からこの剣について何も聞いてないんだね?」
「所詮、それ位の仲って事なのかな?」
花梨はぐうの音も出なかった。
龍殺剣を手に入れた経緯は七海からは聞いていなかった。
花梨が七海の龍殺剣を初めて観たのは『文化祭の事件』の時だった。
東高校で頻繁に起きていた事件を解決するときに七海が抜刀した時が始めてだった。
「これって……そこにいる『鍛冶士のシズク様』が創ってくれた剣だよ?」
シズクは七海のフリに驚きを見せた!?
「ええ!……私!?」
「……私……創った覚えすらないんだけど……」
シズクは今まで武器そのものを創った覚えがなかった……。
あえて、創ったとするならば、エルチェと出会った時にエルチェが自分で合成した『シルフィードソード』だけだ。
エルチェの剣<シルフィードソード>に風の精神を付与したと言った方が正しい。
――だが、七海も花梨も『私の剣はシズクが創った』とはっきり言った。
その七海と花梨がシズクの創った?剣で戦っている。
たしかに、七海と花梨とは『水槽楽部の文化祭での発表』で協力はした。
学校の図書室を貸した時に関わったからだ。
図書室はほぼシズクの自室……管理下……ではなく文芸部部室を兼ねていた。
文化祭の出し物として図書室を貸した。
東高校の図書室は校舎のど真ん中の三階にある。ちなみに直下の2階は職員室だ。
立地条件が良かったというのもあったが、七海とは『オーバーフロー水槽』の構造について研究資料を探すのに図書室で入り浸ったていた時期があった。
その時に調べ物を手伝ったりと色々関係を持った経緯があった。
花梨とは事あるごとに『花梨ちゃんが!』と七海が言ってたから……よく聞かされていた。
とにかく、二人の仲の良さは結構有名だった。
当然だが……最近異世界転移できるようになったので、シズクは二人にどう観ても『アーティファクト級の剣』を創った覚えはあるはずはなかった。
「……この名刀『幸村』は、3年前……高校一年の時にシズクに創って貰った日本刀だ!」
「とある死神に打ち負けた時、冥府のセカイに堕ちかけた時に『ナキサワメ様』に助けらた」
「ナキサワメ様の恩師と紹介してくれた『鍛冶士・シズク』が私のために『想いを紡いで創った』渾身の一本だ……?」
「というか、確かにこの幸村はシズク……お前から受け取った」
「水の神であるナキ様のお陰でもある……まあ、神と言っても小学生くらいだったが……」
???
……3年前!?
シズクは3年前は……。
……あれ?
「ああああ!ちょーっとまってかなかな!?」
――何故か慌てだした日花梨!!
「おおおおお!ちょーと待て!」
――とミカ!!
「ああん!もー!やっぱり輪廻側と関わると色々めんどくさい!かなかな!」
「花梨ちゃん!悪いけど、この七海は殺す!」
高校の制服を着ていた日花梨は制服をパージし、背中に十字架が刺繍され描かれた白装束に瞬間的に衣替えをした!
「0;~3t@qwjz;……!!9んkひいt5;……!!」
日花梨は謎の言葉で呪文を唱える……!
日花梨は手を前に開き『デスサイズ』を取り出した!
「って!死神ちゃん!本気モード!!」
慌ててミカは天之尾羽張を抜刀した!
「花梨ちゃん。悪いけど、邪魔しないでね……邪魔したら、そこにいる賽銭ドロボー神が花梨ちゃん殺しちゃうかなかな……」
日花梨は真っ直ぐ迷うことなくデスサイズを振り上げ七海に斬りかかる!
日花梨からは雑魚をいとも簡単に処分する覇気で七海に襲いかかる!
圧倒的な格下を相手するかのように……!
神が人を黄泉へ送る程度のことだ。
「や!やめろーーーー!!」
花梨は当然、七海を擁護する行動を反射的に行ってしまう。
想いは別として、彼女の……七海である事は花梨は薄々感じてしまっていたから……。
認めたくはない……だが……。
助けようと行動する花梨を『圧倒的力』でミカは押さえ込む!!!
「ゴメン……名探偵さん……」
天之尾羽張で花梨の幸村をいとも簡単に受け止め花梨を蹴り飛ばした!
「……ヤメテクレ……七海は……想いを……諦めてまでも……まだ……想いを……また……踏みにじられるのか……」
ミカは静かに目を閉じ想う……。
「花梨……今は眠れ……!」
ミカは花梨に終焉を与える光を放った!
「……誰でもいい……七海を……」
――花梨から一筋の『涙』が……『想い』がこぼれ落ち……!
――落ちないない!!
閃光が花梨に放たれ襲いかかる瞬間――!
星空の間の星々が流れ落ちだした!!
……そして流れ星は煌びやかな魔方陣を描き出し!!
一冊の日記帳を持った少女が現れた!!
「……その涙……ナキサワメが想いを紡ぎます……!」
「水を愛し、セカイを調律し、人々を救った花梨と……」
「運命を受け入れ、セカイの為に想いを諦めた七海さん」
「私は……私たちは、あなた方の想いを紡げなくて何が神なのでしょうか?」
ミカが放った光を彼女は打ち返した!!
「あなた方の想い、この流れ星の日記……『Shooting Star Diary』が……」
「その想い!無駄にしません!!」
そこには軌跡のペンダントをギュッと握りしめた『沢村ナキ』がいた!
ミカ、日花梨達と
七海と花梨の会話の真剣度にかなりの差があるのは……ミカと日花梨にとっては日常以下程度、ちょっと『くしゃみをした位』の出来事だからです。
そして、シズクとナキはとても近い立場です。





