↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本の世界の鍛冶士 柊シズクの物語  作者: 川崎タイチ
アルハンブラ浄水釜 再付与(うちなおし)編
PR
28/120

Shooting Star Diary

 お姉さん達が帰った後、私は……私たち家族は『おばあちゃん』の葬儀をした。


 ――いっぱいいっぱい泣いた……。

 

 こんなに悲しいお別れは12年生きていて初めてだった。

 ――だけど、おばあちゃんの想いは『ペンダント』に宿っている。

 私をずっと、ずっと、見守っていてくれるんだ――。

 そう思うと、少し楽になった。


 初めて会ったはずの『お姉さん達』に貰った『堅くなったワッフル』をオーブンで炙って食べた。


「……なんかモゾモゾする……」


 おばあちゃんが死んで2日も経過したんだと、パサパサするワッフルを食べて実感する。

 ――そういえば、日記帳も貰ったんだっけ……。


 おばあちゃんを看取った時に貰った『水色の表紙の日記帳』の事を思い出す。

 表紙には既に日記帳の『題名』が書かれていた。


 ―― ~Shooting Star Diary ~


 流れ星の日記……どうして流れ星?

 少し分厚い表紙を開いて1ページ目を見てみた。


 ――真っ白な紙……罫線すら引かれていない真っ白……?


 真っ白……じゃない!

 何が起きているの!

 私の頭が真っ白……真っ白になりそう!?


 何も書かれていなかった1ページ目に『文字が浮かび上がる』

 判らない……読めないはずの言語……。


 だけど読める!?

 何で!?

 私はこの言葉を知らない、読めないはずの言語……。


 ――だけど、私はこの言葉を紡ぐ事ができる!


   ◇

「私の物語が始まる……あらゆる世界の理を超える『星の涙の物語』」

「私はいつもこの日記と一緒に……ファバーダで物語を紡ぐ神となり」

「最後のページを開いた先にいる仲間と共に」

   ◇


 1ページ目に3行の文字が浮かび上がった。

 私は『本は嫌い』、勉強もあまり好きじゃない。

 文字ばっかりの本なんて国語の教科書だけで十分。

 ましてや日記を付ける事は無かった。


 初めて2ページ目が気になる……。

 ページを捲ると……。


 ――白紙だった。


 1ページ目のように文字が浮かび上がるかと思ったが、何も反応が無い。

 痺れを切らした私はペラペラとページを捲る。


 永遠続く白いページ。

 何も書かれていない日記帳。


 そして最後のページを開く――。


 最後の1ページ目には『とても重要な内容』が書かれていた気がした。

 だが、それを読むことは出来なかった。

 きっと読むことは出来ていたが……覚えていない?


 そっと日記帳を閉じ、顔を上げる。


 目の前に綺麗な噴水が――!?


 ――周りを見渡す!


「……な……ここ……ここ何処!?」


 沢村ナキも知らない世界へ飛ばされてた!

 そう、シズクと一緒の世界ファバーダ・アストゥリアーナで彼女の日常が始まる。


 ――『神』の志を紡ぐ者となり軌跡を日記に刻む。


 彼女は、ギュッと『軌跡のペンダント』を握りしめる。


 そして、彼女の2ページ目に文字が刻まれる。


 ――彼女自身の志で。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。