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魔法使いと私  作者: りきやん
私の師匠を紹介します

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【閑話】隣を歩くのは?

 師匠は、とびきり外面がいい。ついでに、無駄に顔もいい。


「あ、魔法使いさーん! こんにちは!」


「どうも。こんにちは」


「きゃー! やばい! 返事してくれた!」


 一緒に街を歩いていると、黄色い声が上がることが、しばしばある。当の師匠は、いかにも聖者然とした微笑みを振りまいているが、隣を歩く私は知っている。何度でも繰り返すが、師匠は性格が破綻しているのだ。


「みんな、騙されている……」


「なんか言ったか?」


「言ってない! 言ってないです! すみません、ごめんなさい!」


 ギロリとひと睨みされれば、私は平謝りするしかない。でも、すごく気になることもあるので、好奇心を抑えられずに聞いてしまう。


「師匠って、恋人とかいないんですか?」


 返ってくる答えは、いつも同じだ。


「その質問に、僕が真面目に答えると思うか?」


「思ってませーん」


 けど、やはり、弟子としては気になるのだ。ものすごーく。なんでか分からないけど。ちょっとだけ、胸のあたりがざわざわする。


 私のことなど知らん顔で、ずんずん歩いていく師匠。その右腕に、きゅ、と自分の腕を絡める。


「……歩きづらい」


「いいじゃないですかー! 師匠、歩くの速いから、こうやって捕まえときます」


「リザを引きずって歩くことになりそうだな」


 ぶっきらぼうな物言い。けれど、絡めた腕を振りほどこうとしない師匠に、私はこっそり安堵する。


 こんな意地悪な師匠の恋人になる人は、一体どんな人なんだろう?


「ほら、行くぞ」


「わっ、待ってください!」


 見知らぬ誰かに思いを馳せながらも、今、師匠の腕を独占しているのが自分であることに、私は小さな喜びを感じるのだった。

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新作「グレーテルと悪魔の契約
ちょい甘コメディファンタジーです。
よろしくお願いします〜!
by りきやん

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