表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

第五話:胎児たちの遊園地

#肉の聖骸 #イヤミス #サイコホラー #なろう #グロ注意 #精神崩壊 #閲覧注意 #アンチ異世界

昨日の「舌」の味は, 今も俺の唾液の中に古いインクの苦みとして残っている。言葉を喰らうということは, その人間の人生を胃液で溶かすということだ。


今日の現場は, 10年前に閉鎖された西武遊園地の廃墟。

錆びついた観覧車が風に吹かれて、巨大な鉄の骸骨のように鳴いている。

メリーゴーランドの前に立った瞬間, 俺の鼻を突いたのは, 安っぽいポップコーンの臭いではなく, 「腐った羊水」の臭いだった。


「……なるほど。ここは『再誕』を待つ場所か」


メリーゴーランドの白馬たち。その腹部はすべて無造作に切り裂かれ, 中には綿ではなく, 膨大な数の「ホルマリン漬けの胎児」が詰め込まれていた。

そして中央の馬。そこには、数人の乳幼児の遺体をつなぎ合わせて作られた、歪な「人形」が跨っている。

彼らの四肢は糸で操られ, 機械が回るたびに, ギチギチと音を立てて笑っているような動きを見せる。


「江戸, もういい……。これ以上は見たくない……」

先輩はメリーゴーランドの足元で, 胃の中のものをすべて吐き出し, 涙と吐瀉物にまみれて震えている。


俺は馬の腹からこぼれ落ちた、まだ赤い肉の残る小さな頭部を拾い上げた。

「見たくない? 違うな。これこそが、命の本来の姿だよ。装飾も嘘もない, 剥き出しのタンパク質の塊だ」


俺は「人形」の頭に手を置き, その縫い目を指でなぞった。

「なろうの読者諸君。君たちが夢見ている『異世界での第二の人生』なんてものは, この腐敗した肉塊の再利用と同じくらい醜悪だ。死んだら女神が迎えてくれる? チート能力で無双する? 笑わせるな。現実はこれだ。君たちは死ねばただの材料になり, 誰かの歪んだ趣味を飾る『肉のオブジェ』になるだけなんだよ」


俺はピンセットで, 胎児の眼窩からまだ柔らかい「水晶体」を一つ、こっそりと抜き取った。

「未来」を見るはずだったその部位は, 今や俺の瓶の中で永遠に静止する。


「生まれ変わるなんて幻想だ。あるのは、解体と、腐敗と、再編だけだ。君たちは今、この文字を読みながら、自分の内臓が腐り始めていくのを感じないかい?」


俺はその水晶体を、そのまま自分の口へ放り込んだ。ぷちり、と弾ける感触。無垢な命の味が、俺の汚れた舌の上で冷たく広がっていく。


掃除を終えた遊園地は、不気味なほど「平和」に見えた。

俺のポケットの中では、まだ見ぬ明日を閉じ込めた小瓶が、カチカチと音を立てている。


「さて……次はどの『無垢』を、俺に喰らわせてくれるのかな?」

文字を読むのをやめて、安全な異世界小説に逃げ込みたいかい? ……残念だけど、もう遅いよ。君の意識はすでに、この腐敗した遊園地の住人なんだから。……ねえ、君の隣にいるのは誰だい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ