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The dream never ends〜Four_paines編〜  作者: 小山シホ
四人の抱える四つの痛み
2/7

第1話「四人の現在」

〜現在〜

〜渋谷川学園 IーA 教室にて〜

「ねえ皆!その映像見ようよ!」

「いいね!それ!むちゃくちゃ人気なんだよね!」

「私もそれ見ていい!?」

他の生徒が話題の学校の動画で盛り上がる中、瑠奈はただ教室の端に座っていた。

「…はぁ。なんで本当に…」

「(バンドってなんで解散したの?今まで人気で皆からも好きだって言ってくれる人も居たのに。)」

「(批判する人は勿論いた。だけど、それでも応援する人がいた。数は少なめだったけど。)」

「何で、地花はバンドを解散させたんだろう。」

色々な事を考えていると、品川愛というクラスメイトが来た。

愛は落ち着きがあり、IーAの中で数少ない、先生の事を呼び捨てしない生徒。一見、落ち着いていそうに見える瑠奈とは類似点もいくつかあるが、瑠奈は焦った時は本当にパニックになるが、愛は余っ程の事じゃない限り、パニックにはならない。まあ、ただ流石に自分の好きな人にあったらパニックにはなるが。

「月乃さん。おはよう。あの、どうかしたの?」

「あ、品川さん。おはよう。え?別にどうにもしてないよ?ただの独り言だよ。」

「あ、そうなの?…ごめん。私が気にしすぎだよね!」

「じゃあね。月乃さん。化学だから私、実験室に行く準備をするね。」

「う、うん。ありがとう。品川さん。」

愛は急いで化学の用意をした。瑠奈は愛が過剰に話に関わらずを切り上げてくれたので良かったと感じた。

「…さて、わたしも用意しようか。」

「(せめて授業くらいは集中出来るように…)」

〜IーB 教室にて〜

一方、隣のIーBの教室では晴那とヒカリが居た。

「ヒカリちゃん。あの授業の準備…」

「あ、はーちゃん。ご、ごめん忘れてた!ありがとう!伝えてくれて。」

「(やっぱりヒカリちゃんも気にしているだろうな…)」

「(そりゃそうだよね。だって中三の時にあんな事があったから…)」

晴那はヒカリの事を気に掛けながらも、授業の準備をした。

〜廊下〜

一方、廊下ではヒカリが独り言を呟いていた。

「はぁ…中三の時、どうしてバンド解散しちゃったんだろう…」

「(はーちゃんは気にしていないのかな…るーちゃんは絶対に気にしていると思うけど…じゃあ肝心のちーちゃんは…?)」

一人で考えていると──

「………」

地花が来た。地花はムスッとした顔付きだ。ヒカリの事なんて何も気にしていなさそうな顔すらしている。

「あ、ちーちゃん!あ、あの!」

「…何?」

「あ、あのちーちゃん…げ、元気…」

「…ごめん私はやらないといけない事あるから。」

ヒカリの問いには答えずに地花は何処かに行ってしまった。

「ちーちゃん…」

〜女子トイレにて〜

「はぁ……何でヒカリは…」

「……!」

地花は女子トイレに来た。だが、そこには地花を嫌っている生徒達が沢山いた。地花はそれを見た瞬間、すぐにトイレの中に入った。

「ねえ、さっきの走って行った人って土山さんじゃない?」

「多分そうだと思う。にしてもトイレの中で走るとか有り得なくない?」

「ホントに。元々常識無いと思っていたけどまさか学校のルールも破るつもり?」

「土山さんって女子どころか男子にも嫌われているらしいよ。」

「まああの性格だったら分かるかな。」

「待って。そんな事で話していたら土山さんに聞こえるよ。あの人に聞こえたら面倒だし教室に戻って授業の用意をしようよ。」

「それもそうだね。行こう皆。」

「………本当は月乃さんが悪いんだけどね。」

「え?何か言った?」

「あ、ごめん!何でもない!今行く!」

「………」

地花は偶然、トイレにいた女子達の声を聞いてしまった。

「(…アンタらなんかに私の私達の何が分かるの?)」

「(あーあ。最悪の気分。時間も無いし、教室に戻るしか無いか。)」

そして時はかなり進み放課後──

〜放課後〜

〜廊下〜

「……授業終わったけど、何かモヤモヤするね…」

「う、うん。」

「──あ!其処に居るのはるーちゃんとはーちゃん!」

二人がぎこちない会話をしているとヒカリが来た。ヒカリは暗い顔を見せずに明るそうだった。

「ヒカリ…どうしたの?」

「あのるーちゃんかはーちゃん!一緒にアタシと帰らない!?」

「うーん…わたしはちょっと部活があるから…」

瑠奈の部活は「手芸部」。色々な小物を作ったりする部活だ。

「あ、じゃあしょうがないか…じゃあはーちゃんは!?」

「…私は大丈夫だよ。ヒカリちゃん一緒に帰ろう。」

ヒカリは言葉に出来ない程の感謝を述べた。晴那は困惑しながらも何処か嬉しそうだった。

〜帰り道〜

「ねえ、はーちゃん。彼処の喫茶店、美味しそうじゃない?」

「えーヒカリちゃん。先生にバレない?」

「大丈夫大丈夫!行こ行こ!」

晴那とヒカリは喫茶店に行く事になった。その喫茶店は人気で基本的には行列である。ただ、今回は行列では無かった。

「もう仕方が無いな。うん。私も行くよ。」

〜喫茶店『symfony Café』にて〜

「うーん!美味しいね!」

「そうだね。特に此処のケーキはレベル高い気がする。」

「いやーはーちゃんとまたこうやってご飯食べれて良かったよ!」

ヒカリが嬉しそうな顔をする。それを見た晴那も嬉しそうに笑った。

「そうだね。私も嬉しい。」

「うん!…だけど…」

だが、次の瞬間、ヒカリの表情は暗くなった。

「此処にるーちゃんやちーちゃんもいたらな…」

その言葉を聞いた晴那は苦笑いをしながら答えた。

「ま、まあ瑠奈ちゃんは都合合わなかっただけだからきっと次誘ったら良いよって言ってくれるよ。」

だが、次の言葉を言った時、晴那は笑顔では無くなった

「だけど…地花ちゃんは…」

「多分、誘っても断られると思う…」

「だよね…はぁ…どうしよ〜…」

二人はネガティブ思考になっていった。それを打ち破る為にヒカリが言った。

「ま、まあ。今ははーちゃんとのカフェを楽しむよ。ほ、ほら!人生楽しまないと損って言うじゃない?」

「だから今はそんな暗い事話さないでいようよ!」

「まあ元はと言えばアタシが暗い話しちゃったからだよね!ごめんごめん!」

すると、晴那は笑いながら言った。

「良いよ。ヒカリちゃん。…そうだね。今は楽しもう。」

「ごめんね。私も暗い話しちゃって。」

「元気になるように甘い物頼もうか。えっと…」

「(……"未来はきっと良くなるよ"か…)」

晴那は心の中で呟いた。それは自分を助けてくれた人の言葉。晴那は本当に良い未来になるのか不安になりながらも彼女はヒカリとこの後もお喋りをしたのだった──。

皆さんこんにちは。小山シホです。さて、今回は遂に現在を描いてみましたが…結構、暗めの表現かもしれません。もし同じような経験をして辛いなと思ったらすぐにブラウザバックしてくださいね。

次回予告

翌日、ヒカリは生徒会の仕事で忙しいので晴那と帰れないと彼女に言う。他の人に一緒に帰ろうと誘うとその人は瑠奈だった──!?

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