第五話 父の怒り
二郎は、机に向かい、一人で会議を始めた。
――幻のハンバーガー事件。
……ハンバーガーも食べたかった。
あの後、三郎に怒ったが、まだ、許せない。
深く深呼吸をして、心を落ち着かせる。
――駄目だ。
今日は、お前に集中しよう。
準備は良いか?相棒。
僕は、机の引き出しのカップラーメンを手に取ると、リビングへ目を向ける。
――よし、行くぞ。
「二郎。ちょっと来い。」
立ち上がろうとすると、父からの呼び出しにより、僕は、相棒を引き出しにしまった。
父の部屋に行くと、僕はすぐに、正座をさせられ、父は、黙ったまま、僕を睨んだ。
そして、僕の膝は限界に来ていた。
「弟を泣かせたみたいだな。父さんには、分かっているんだぞ。」
――この前のことか。
だけど、あれは、僕が悪いんじゃない。
「謝ったら、許してやる。」
――あれは、僕が悪いんじゃない。
でも、……僕は、泣く泣く謝る事にした。
「ごめんなさい。」
「父ちゃん、二郎兄さんを許してあげて。僕も悪かったかもしれない。」
三郎は、勢いよく現れると、僕を庇うように父との間に入ってくる。
「おおっ、三郎。二郎を庇うなんて、偉いぞ。今度、お前の好きなものを買ってやろう。」
父は、三郎を抱き抱えると、その場で回り始めた。
「父ちゃん。ありがとう。」
「三郎は、偉いな。」
三郎は、僕に向けて、小さなガッツポーズをする。
僕は、その二人の光景を夕飯前まで、見せられた。
――今日は、ラーメン食べる時間がないな。
ラーメン記録帳
出来事
茶番劇を見せられて、ラーメンを食べる時間が無くなった
教訓
父と弟の茶番劇に注意
命名
父と弟の茶番劇事件




