81.人工知能&NPCとプレイヤーと。
…何か凄い今日の閲覧数が増えているなぁ…と、驚いていたら、VRの昨日ランキングの下の方に引っ掛かっているとの事で「それか!」と思った次第。つたない話に毎日お付き合い頂き、ありがとうございます。
感想に、誤字指摘に、ブックマークに、評価にと興味持ってもらえるのが嬉しい月曜日です。多分、今後はないと思うので、いい思い出になりました(笑)
そうして潜水艦もどきは地上へ向かう。
楽しみにしていた海中の様子が見られるのは少し高い位置にある小さな丸窓位で、エリザベスはマイクに抱えられてその窓にしがみ付きながら海の様子を楽しそうに眺めている。
ミズキはと言えば、エディンには知り合いもおらず、事前の連絡も無しに領主の館に向かわなければならない事に一抹の不安を覚えるが、不安だろうが何だろうがエリザベスは親元に返してあげなければいけないのだ。
何でまた、プレイヤーがNPCに対して誘拐じみた事をしたのかとも思うが、NPCと成るべく争わない為と聞けばミズキ的にはそれは正しい事にも思えてしまったのだ。だからこそ、平和に片が付くなら手伝おうと思ったわけでもあるのだから。
そんなことを考える内に地上に到着する。
フィーナの手配の手際は良く、地上に着いた時点で船?の傍には来た時より大きめの馬車がすでに準備されている。
地上には水棲人4人とエリザベス、ミズキの6人で来たのだが、リンクとフィーナはここに留まると言うし、リンクに至っては海中の砦に戻るそうなので、二人に声を掛ける。
「リンク、何かあったら声掛けろよ。フィーナさんは…その内お願いする事あると思うから宜しくネ!」
「何もないのが良い気がするんですけどね…」
と、不安そうな返事を返してくると。
「お願い事ですか…?出来る事であればお手伝いしますよ。」
と、健気な返事を返してくれる。
「んじゃ、二人共また遊ぼうな。」
カラッカラに乾き、湿りけなど感じさせない雰囲気であいさつするミズキは、港を後に馬車に乗り込む。
ミズキはマイクと二人並んで座り、リズはエリザベスと並んで相手をしながらエディンに向かう。
「街に着いたら、どーすんだよ?エリザベスと二人で領主のとこへ行くのか?」
「んー、リズも一緒に来て貰いたいけど、お願い出来る?マイクは冒険者ギルドで待機して貰えれば。」
「力仕事はいらねーんだな?…なら、任せるわ。」
「私は何の為に?」
「簡単に言えば、エリーちゃんがリズに懐いてる所を両親に見せたいんだよ。」
「ふーん…私が行ってうまく回るなら構わないよ。」
「エリーちゃん、リズさんの事好きでしょ?」
「うんっ、好きだよっ♪」
「…って事なんで。」
「じゃあ、マイクを途中で降ろして、馬車で領主邸まで行く感じかね?」
「あいよ、まぁ、気張ってくれよ。」
「大丈夫ですよ。エリーちゃんがやってくれますよ。」
「わたし?」
「そうだよ、どれだけリズさんの事が好きか、お父さんとお母さんに、お話してくれるかな?」
「うん、わかったー!」
元気に返事をしてくれたミズキの手に違和感を感じて、エリザベスは首をかしげる。リズやマイクたちも暖かくは無いのだけれど…硬いのだ。
「ねぇねぇ、ミズキの手はなんでそんなに硬いの?」
「あぁ、私は魔法のお人形さんなんだよ?面白いでしょ?」
「面白いねっ!」
無邪気なエリザベスの姿を見て改めてミズキは感じる。機械に作られた世界でも子供は子供なんだよなぁ…と。プログラムされて造られた存在かも知れないが、ミズキにとって、小さい時の姪っ子を思い出させる存在は、立派に人間の女の子でしかないから。
他のプレイヤーは感じないんだろうか?
そんな妙な倫理観が頭をグルグル巡る中、いつの間にかマイクは途中で降り、馬車も領主の館の前に着いたとリズに知らされる。
「何か、真剣そうだから邪魔しなかったけど、着いたわよ」
そう声を掛けられて、いつしか自分の世界に没頭していた事が妙に恥ずかしく思える。
自分の頭の中の倫理観を他人に押し付けたくない…と、考えつつ、そうであればいいと思う葛藤。何で仮想世界でこんな事を考えるのか…と、少し馬鹿々々しくも感じる。
「あ、ごめんごめん。考え事をしてた。」
「ミズキ…いたそうなかおしてるよ?だいじょうぶ?」
そう声を掛けてくれたエリザベスと目を合わせ、頭を撫でる。無邪気な子供に心配される事が妙に心地よかったりもする不思議。
「ありがとね。エリーちゃんの御蔭で、元気出たよっ!」
「そっか!よかったね♪」
「大丈夫?交渉できそうなの?」
「問題ないよ。ホントのホントに、エリーちゃんの御蔭で問題なくなった!」
「相変わらず、わかんない人ね…」
とりあえず、目の前の一人の子から元気になって貰おう。次は領主の両親かな。そして町民、水棲人、町全体にひろがりゃいいなぁ…等と、荒唐無稽な思考が広がる。侵略された遺恨はあるんだろうか?防衛側の被害ってプレイヤー以外に居たのか?本当に和解出来るんだろうか…
普段のミズキにはないプレッシャーにまみれている中、救いの声?が頭に響く。
『なーに、暗くなってんのよ。問題無いから、ちゃっちゃと領主と話に行きなさい。』
みずきの思考を感じ取り、テンが見かねて声を掛けた。
珍しくミズキの思考が闇に落ちてます。
200825 蜥蜴4人→水棲人4人
200826 エリちゃん→エリーちゃん
あと、指摘を頂きまして、数字の3桁区切りは本来「,(カンマ)」なのですが、変換時に気が付かず、「、(読点)」やら「.(ピリオド)」になっている場合がいくつかありました。
直すとキリがなさそうなので、その辺りを「こうだろうな…」と、自己変換して頂けると助かります。ご指摘、ありがとうございました。




