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69.冷たい怒り

いつも沢山の誤字の御指摘、ありがとうございます。

なかなか無くなりません…

 驚いたテンを放置して、通された部屋で中を眺めると…呆れる場面に出くわした。


「りーずぅー、あそぼうよー。」


「エリザベス。今から大事なお話があるのだから大人しくしなさい。」


「エリザベスって呼ばないで!私もリズがいいんだからっ!」


 …蜥蜴人…名前的にこちらも女性だろうか?…と、じゃれあっているのは可愛いドレスをまとった人間の子供。人間の子供が、蜥蜴人の鎧の裾を引っ張ってじゃれ合っている様に見えるが、決して悪い扱いを受けている様には思えず、どちらかと言うと友達の様な雰囲気である。


「すまない、待たせたね。この砦の責任者の一人でリズと言う。」


「いえ。突然の訪問にご対応、ありがとう存じます。」


「ねー、リズぅ、この人だれ?」


「私はね、ミズキ…って言うんだよ。えっと、エリザベスちゃん?」


「ちがーう!わたしもりずなのっ!」


 何を言っているのか要領を掴めずに不思議そうな表情を表に出してしまうと、蜥蜴人のリズが申し訳なさそうに説明をしてくれる。


 小さな人間の女の子は、エディンの領主の娘だそうで名前をエリザベスと言うそうだ。

 前回のワールドレイドでエディンを占領した際に領主を抑える為に捕虜として連れてきたのだが、当人に捕虜としての自覚も無ければ、水棲人側も子供と言う事で比較的自由にさせているそうだ。エディンと無理に争う気も無く定期的に領主も御付き数人と訪れて顔を合わせているとの事。


 侵略行為自体は陸で行われる為に魚人より陸上活動に秀でた蜥蜴人が指揮を取っている形ではあるが、彼らの中で蜥蜴人と魚人は対等な立場で上下関係は無い。リズが責任者をしているのは、エリザベスの世話役である事と、エリザベスの世話をするのに女性である事と、ここでも言葉に秀でている事…そして…人間としての生活も理解するプレイヤーである事を教えてくれた後に問われる。


「貴方もプレイヤーでしょ?」


「えぇ。」


「素直に答えるのね?」


「交渉事に嘘は宜しく無いと思いますから。」


「ふーん…じゃあ、ギルド職員でもないわよね?」


「職員ではないですけど、商業ギルドに属していますよ。」


「でも、ギルドとしての交渉じゃないよね?」


「まぁ…そうですね。」


 嘘を付かないと言ってしまった様なモノである為に、次々と牽制されるがどんどん追いつめられている感じがしないでもない。


「じゃ、こっちから条件を出すよ。聞いてくれたら…考えてあげるよ。」


「聞いてから検討しますよ。」


「こっちの条件は一つ。エリザベスを領主に返して欲しいんだ…但し…」


「但し…?」


「彼女を返した後も、エディンの貴族や軍と対立する事無く対等に生活が出来る様にしてくれないかな?」


「えー、かえりたくないよー?」


「エリザベス…少しだけ静かにしようね。」


「はーい…」


「しかしまた、妙な事を言いますね…なら何故、彼女を捕虜にしたんですか?」


 侵略をした事実から力では敵わないと理解された上で、領主の行動さえ制限し、水棲人側が無茶を行わなければ街での争いをある程度制限できると思っていた事。今後の侵略をするにあたっての拠点になり得る街での争いを生じさせたく無かったと。

 そして領主の娘を大事に扱い、領主も訪れて、共存を主張し、今後は対等に生活出来れば一番だと

考えている旨等を教えてくれた。


 …が、話を聞いていく内に、以前にも感じた根本的な疑問を聞いてみる事にする。


「よくわからないんですが…共存を望んでいるのなら、そもそも何故、水棲人の方達は陸上の侵略を始めたんです?」


「プレイヤーだから…かな?」


「リズさんが、水棲人を焚きつけて侵略を始めたと?」


「私だけでは無いんだけどね。」


「やりたい事をやるのは好きですよ。でも、回りくどすぎません?」


「いやぁ…制限無しに虐殺とかはしたくないしね。」


「それでも、争いごとが有れば死人は出ますよね?」


「私達プレイヤーは数人なんだ。最前線はNPCの水棲人なんだよ。」


 その言葉を聞いた途端にミズキの表情が一変する…そして、それは場の空気を凍らせた。


「なっ…私は何か変な事を言ったかな…?」


 突然のミズキの雰囲気の変化に危険を感じたのか、リズは先手を打ってその原因を探る。

 その問いにミズキは低い声で間接的に答える。


「リズさんは…エリザベスちゃんを殺せますか…?」


 その言葉にエリザベスはリズの方を向いて、怯えた表情で視線を上げて問う。


「えっ…リズは…わたしを殺すの…?」 


「殺すわけないでしょうっ!」


 リズは意味も解らぬ問いに対して、怒声をもって返答する。

 それでもミズキは態度を変えず、相も変わらない低い声で応答する。


「それは、貴方がプレイヤーで…中身は人間で…エリザベスちゃんが人間だからですか…?」


「何が言いたいっ?」


「同じ感情を最前線のNPCには持てないんですか?ただ死ねと?」


 そこでリズはミズキの言葉を理解し始める…ミズキのNPCに対する考え方の自分との違いを。

 そして話の流れを自分の出した条件に沿う様に話の流れを戻そうと務めるのだ。

案の定、蜥蜴人の名前は…御察し…

そして、エリザベスの名前も被せてみた次第です。

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