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狐の嫁様  作者: 葛籠
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「へぇ〜、ここが稲の国か。あいつが出たって噂ホントウかな?」

「…分かりませんが、問題を起こさないでくださいよ。」

「酷くね⁈俺がいつも問題起こしてるみたいな言い方!」

「なーに言ってんだ!いつも俺らに迷惑かけてるくせに。特に歯舞(はぼまい)を困らすな‼︎」

「そーだ!そーだ‼︎」

先頭の大男が言葉を発すると、直ぐそばにいた黒髪の男が疲れ切った表情で応える。それに続いてギャンギャンと騒がしくなる。

稲の国の門番は見慣れない顔に眉をひそめる。ここでは見慣れない褐色の肌に白い服。しかし、全員必ず腕や脚、顔などの体の一部に入れ墨がある。それを見た途端、王に伝えるため、周りに急いで指示を出す。

稲の国に来たのは磯の国の者だった。







宮殿内ではバタバタと慌てている。侍女も、警備も、精鋭部隊も、誰もかれもが慌ただしく動いている。1人除いて。

「…何でお前はいつも落ち着いているんだ?」

あまりにもいつも通り過ぎる信に意味がわからないといった風な表情をしながらも尋ねる。

「あの男のことだ。急に来てもおかしくない。…問題は来たことではなく、目的の方だ。」

門にまで迫った磯の国の者たちを見る。先頭の男はヘラヘラと笑ったり、ショックを受けたりと表情がコロコロと変わる。が、こちらを見た。鋭く、見透かすような目で見た。すぐに周りの者達と談笑する。あれに騙された者、国は多い。

「…やっぱり中心だな。」

悟は信の言葉に首を捻って、頭に?を浮かべた。




「んー、やっぱすげぇな。」

「…何がですか。」

「え?分かんないの〜、ねぇ、分かんないの〜?ね」

「はい、分かりません。」

「遮んないで⁈…まぁ、いずれ分かる。」

巫山戯始めたかと思えば、目つきを鋭くさせ、ニヤリと笑う。それを見た歯舞は、顔をしかめた。

「…喧嘩売らないでくださいね、神恵内(かもえない)さん。」

「俺がいつも喧嘩売ってるように言わないで⁈…昔は可愛かったのに、今では…」

「ハイハイ。」

オヨヨと泣く振りをする神恵内をあしらう。その間に手続きが整う。

「…んじゃあ、行くぜお前ら。乗り遅れんなよ?」






「…潮の匂いがする。」

くんくんと匂いを嗅ぐ。開いた襖から風が入り込み、この宮殿ではない匂いに気づく。狐なのに犬に見える。

「あー、今日は会議で、他の国から来ているんですよ。」

「半分本当で、半分嘘ってところでしょ。」

うぐっと肩を揺らし、顔を背ける護衛の1人に笑った。正直者過ぎてこの世界で生き延びていることが不思議だと思う。

「そ、それより、少し離れた場所に庭園がありますよ。行って見ませんか?」

「話題を変えるの下手くそ。…でも、庭園には興味あるから行く。」

話題を一応晒せて、内心ホッとする。そんな護衛である男を目の端にとどめておきながら、潮の匂いに来たのかと思い、何も起きないことを祈る。

(…あの男はクソガキだけど、ガキじゃないから大変だなぁ。)

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