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狐の嫁様  作者: 葛籠
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畳最高!

「お前も知っての通り、基本は書類整理だけだ。」

「分かった。」

話が終わると黙々と仕事を進める2人。書斎は外の葉が落ちる音さえ聞こえるほど静か過ぎる。

「失礼します。今日の、うわっ。」

「入ってきたと思ったらその言葉はなんだよ。あと一声かけなきゃいけないっていつも言ってるだろ。」

襖を開けると静かすぎて気持ち悪いといった風な表情をする弥生。気持ちは分からなくもないが、信の前で言うのはアウトだ。説教が始まる前に慌てて来た目的を果たそうとする様子に昔と変わらない所があり目を細めてしまう。

(時の流れは恐ろしいけど、根本的な部分は変わらない。…信の前でやらかしたのは馬鹿だけど。)

「き、北の大陸の磯の国からの手紙が届いています‼︎」

部屋に緊張が走る。

磯の国と言えば、海に関することは一番。昔から堅実で基本は中立といった立場にいるため、戦には参加しない。戦に出れば、三日三晩で国を潮水で潰し、呑み込む。そのため誰も喧嘩を売ろうとする馬鹿はいない。その国から手紙が届くということは、滅多にない。

しかし、信はビリビリと手紙の封を開けて、淡々と黙読する。その様子に流石としかいえない。

(…相変わらず度胸があるっていうか。)

(…動揺している所を逆に見てみたい。日常生活で見てみたい。姐さんのことなら動揺するかもしれへん。)

読み終えたらしく、ジッとこっちを見てくる。何かやらかした訳ではないのに全身から冷や汗が出る。

「…雫、お前…。磯の国と何かあったか?」

「……へ?」

「深月としては?」

「…え、あー、前は一度会ったくらいかな。今は戦闘組合での依頼をいくつか受けたぐらいだよ。」

ただ聞くだけでずっと無表情なため、悪いことをした気分になる。

「…そうか。雫の部屋は移動で東の屋敷な。あとでそっちに他の奴らを寄越す。」





お、思ってたより普通だ…‼︎目の前にある東の屋敷は名前の通り、宮殿から見て東にあり、先代より好みの屋敷であった。ギラギラあった宝石や金箔はなくなり、何処にでもありそうな和風な屋敷。畳、障子、襖、縁側、床の間がある。

(…最高か。ここは天国か?)

好み過ぎる屋敷にうっとりし始めた。屋敷の隅々まで回る。

「……さいこー。」

畳の上でゴロゴロ転げ回ったあと、夢に落ちた。






「な、何で東の屋敷に姐さんを置いたんですか?」

「そのうち分かる。」

バリバリと煎餅を食べながら話す2人は先程の件があったにもかかわらず、緊張感がない。

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