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3.気まずさと闇

今回から、連続する会話文にも

1行スペースを開けています。

見やすさ等々、ご意見や感想いつでもお待ちしています。

それでは、フォーエバー3話、お楽しみください。

「・・・どーしよっか、これから」


長い鉢巻をなびかせながら、サロスは問いかける。


セリスィとメロンを探すため飛び出したはいいものの、

随分あとのことだったため、行方が分からない。


「きっと遠くまでは行ってないはずだけど・・・」


弱々しく、イレモは答えた。

彼女にも、二人が何処へ行ったのか分からなかった。


この辺りは、シンボルとなるようなものはない。

地面では程よく草が伸び、

緩やかに盛り上がりを見せているくらいだ。


「とにかく、走ろう!止まってるよりは

何か分かるかもしれないし、さ!」


「う、うん!」


闇雲に走っても大丈夫なのか。

イレモは頭の中で疑問を持ちつつも、

サロスを信じて、彼女なりに強く返事をした。


白い宙の下を、二人はひたすら駆け回った。




「・・・」


静かな空間が、まだ続いている。

このままメロンの隣で座ったままでいいのか。

セリスィは横目で彼女を見ながら考えた。

彼女も彼女で、何か考え事をしてるようだ。


彼女は、俺のことが嫌いだと思う。

逆に好きになる理由なんてないだろうな。


前に、メロンに直入に思いをぶつけたことがある。

一緒に頑張ろう、って。

俺の『普通』の概念が正しいのか分からないが、

彼女は普通じゃなかった。

俺の思いに答えてくれなかった。


それでも、彼女は俺らに関わってくる。

助けに来てくれたり、共に戦ったり。

なのに、何故か仲間の輪に入りたがっていないように感じた。


俺はメロンが何を考えているのか分からない。


「・・・私のことわからないの?」


突然、メロンが口を開く。

心の中を読まれていたのだろうか。

てか、自分が面倒な奴だと自覚があったのか。


「・・・正直、な」


「・・・そう」


言葉を詰まらせながら、答えた。


そう、とだけ呟いたメロンは、何処か悲しげな顔をしていた。

ますます、彼女の意図が分からなくなってくる。


再び変わらぬ静寂が俺らを包みにきたが、

さっきまでの空気と全然違う。


心地よさから、気まずさにガラリと変わっていた。

あの何気ない小さな会話から、

こんなにも変わってしまうとは。


いっそ逃げ出してしまおうか、そう考えたその時。


「あんたたちだねー見ーつけた!」


「!?」


後ろを振り向くと、そこには三人の女が立ちはだかっていた。


「あいつらから話は聞いてるよー

何でも、死なない勇者なんだってね?」


「・・・あいつら、って・・・」


問いかけてすぐに、何者か分かった。

闇のグループ、『インフィニティ』だ。


「あぁ、グリと同じ奴らね」


メロンも、理解した。

グリ、というのは前に俺らが戦った

インフィニティの一人だ。


前のグリとの戦いは、過酷なものだった。

なんせ、勇者となって初めての戦いであった。

あれは、思い出したくもない。


「今回は何しに来たのよ」


メロンが三人を睨みつけ、冷たい眼差しで問う。

インフィニティはその目にびくともせず、余裕の笑みを浮かべていた。


お団子頭の女が一歩前にでた。


「もちろん、あんたたちを倒しに来たの」


淡々と放つ言葉には、感情は含まれていない。

だが、こいつは強いかもしれない。

彼女の周りには、二つの球体が浮かんでいた。

その球体は、バチバチと電気を帯びて彼女を囲んでいる。

まさに、厄介になりそうな敵だ。


そして、人魚の女も・・・って


「何で人魚だよ」


思わずツッコミを入れてしまった。

隣のメロンも、目を細めていた。


草っぱに人魚。

誰がどう見ても、浮いている。


人魚、といっても人間の足らしきものは

きちんとある。

だが、水気のない地上を人魚が歩くのは

ちょっと・・・いや、随分変だと思う。


「なぁーに?あ、私に惚れちゃったの?

ウフフ、一目惚れって素敵ねー♡」


「さぁセリスィ、さっさと倒しましょう」


「あらあら、女の嫉妬は可愛いわね♡」


「こんな奴ら、私達でも倒せるわ」


気がつくと、人魚とメロンが言い合っていた。

自信ありげに話す人魚に対して、

スルー気味に話を進めるメロン。

何というか、ただただシュールだった。


この人魚からは、大人の余裕を感じた。

俺らよりも、上であるはず。

技量なら多分そっちが上回ってしまうだろう。


「ほら、行くわよセリスィ!」


「あぁ、さっさと倒しちまおう!」


戦う前に、不安がっている場合ではない。

互いに呼びかけながら、手に剣を出した。


『スパスィ』と呼ばれる、細長い剣。

見た目は剣と言うより、

両端に攻撃部分のある槍、と言ったほうがいい。


俺は、赤いスパスィを。

メロンは、黄色いスパスィを力強く握った。


「さぁ、あたしたちも行くわよ。

あの、『教え』の通りに・・・ね?」


三人も、戦闘態勢に入った。


電球女は、球体の電気を最大にした。


人魚は、手から重力に逆らう水の塊をまとった。


そして、俺らが最も重視していなかった女。

この場の誰よりも幼く、

背中に黒い柔らかな羽をもったカラス。


カラスは、手を黒いモヤで染め、

勢いよく向かってきた。


その行為は、一瞬で

メロンの行動を奪った。



白い宙の下。

永遠の命は、闇に抗っている。

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