第六話:弾圧
AI100%ですので注意されたし。
王と蛇の命令によって組織された「取り締まりの兵たち」は、早速、楽園の治安維持という名の狩りへ繰り出した。
もっとも、彼らは所詮「頭が猿のまま」の脳筋集団である。複雑な思想の区別などできるはずもなく、与えられた指示はただ一つ――「規律を守ってない者や、不穏な空気を出す不届き者を捕らえよ」これだけだった。
「おい、そこのお前! 目つきが不届き者っぽいぞ!」
「え!?え!?え!? ぼく不届き者だったの!? ゆ、ゆるして! ごめんなさい!」
兵たちは猿の脇を抱え、適当な木の枝や蔓を組み合わせて地面に雑に作られた、ロープの囲いへ連れて行く。
「ここは旧王様が定めた『お前のための反省の檻』だ! そこに入れ! そして絶対にその囲いから出るな!」
「ひえっ、わ、わかりました……!」
「怪しい奴を見つけろ」という指示を勝手に解釈した兵たちは、言いがかりをつけた一般猿たちを次々とそのロープの囲いの中に押し込め、上からありがたい(?)お告げを下す。
「よろしい、そこから一日一歩も出ることはかなわず……今日お前たちが取ってきたその収穫もすべて没収、もちろんご飯一日お預けの刑だ!」
「そんなぁーーーっ!! せっかく自分で取ってきた極上の干し肉がぁーーーっ!!」
それに乗じたのは、日頃から隣人の目を気にして生きる大衆たちだった。
「あいつ、最近俺よりいい果物を取っていたから、きっと不届き者に違いありません! あの囲いに閉じ込めてください!」
「私、あいつが王様の悪口を小声で言っているのを聞きました! ご飯お預けにしてください!」
こうして始まった「弾圧」は、瞬く間に悪質な魔女裁判へと変貌した。
誰かが誰かを密告し、兵たちは「よし、お前は不届き者の匂いがするからあのロープの中に入れ!」と、まったく身に覚えのない一般の猿たちを次々と囲いへ放り込んでいく。
そして、ここからが猿の恐ろしいまでの従順さだった。
ロープで囲まれたその場所は、別に頑丈な檻でも何でもない。ただ一本の蔓が地面に這わされているだけなのだが、入れられた猿たちは「お上から『出るな』って言われたから……!」「破ったらもっと恐ろしい罰が……!」「初代様がおっしゃるならそれが正しい…!」と真面目に思い込み、ロープをまたぐことすらできず、その狭い空間の中で震えながら立ち尽くすしかなかったのだ。
楽園のあちこちに作られたその「ロープの檻」からは、「出たいけど、出るなって言われたから出られないよぉ! 腹が減ったぁ!」という悲鳴が響き渡った。
だが――。
肝心の、本当に反発の狼煙を上げていた張本人である「新世代の猿たち」はというと。
「いや、あいつらバカすぎて、あんなただのロープの囲いに入れられただけで、マジで一歩も外に出なくなってるぞ……」
「出るなって言われたからって、自分で勝手に出ないように我慢して、挙句にご飯抜きになって苦しんでる……。お前ら、真面目すぎるだろ」
「……とりあえず、ここで高みの見物でもしながら、自分たちの収穫分を美味しく食うか」
のんびりしていた。




