第一話:王の誕生
AI100%ですので注意されたし。
「――昔々、世界のはじまりにね。神様は、この世界をとても美しく、何不自由のない楽園としてお作りになりました……」
その話はページを一枚めくれば、そこに描かれているのは綺麗事とは程遠い、あまりに泥臭い「はじまり」があった。
すべては、あの男から始まった。
どこまでも平坦で、どこまでも退屈な、ただ草木が茂り毛むくじゃらの群れがうろつくだけの世界。その中で、そいつは「突然変異」として産み落とされた。
群れの誰もが同じように木の実を貪り、同じようにただ群れて眠るだけの日常において、そいつはほんの少しだけ違っていた。ほんの少しだけ先を読み、ほんの少しだけ群れの他の連中より上手く立ち回り、そして何より――「自分は特別なのだ」という歪な自意識を持っていた。
それが、のちに「王」と呼ばれるようになる最初の突然変異種だった。
猿の基準で言えば、それは途方もない「大天才」だった。
文字や科学を知っているわけではない。だが、自分だけが生み出せる物、そして「もっともらしい大嘘」を組み合わせることで、頭のからっぽな群れを意のままに操る術を、そいつは本能的に見つけ出したのだ。
「空の向こうにすごい奴がいる」「俺の言うことを聞いておいた方が幸せになれるぞ。聞かないと、お前たちの食べ物は没収だ」――そんな粗削りな支配の仕組みに、何の疑いも持たない無数の群れはひれ伏した。王は高い岩の上に座り、何もしなくとも、ただ威張っているだけですべてが手に入った。
それが、「EDEN」という名の巨大な飼育小屋の始まりだった。
王は満足していた。すべてを支配し、すべてを自分の思い通りに動かしているという全能感に酔いしれていた。
だが、進化という名の歯車は、そんな王の浅はかな王国を笑うかのように、次のエラーを引き起こす。
王の時代が円熟期を迎え、何も考えない民が増えきった頃、その底から――ぽつり、ぽつりと、新しい世代が産まれ始めた。
王の血ではない。
遺伝子の気まぐれがもたらした、王のように頭脳を持つ「新世代」の者たちが。




