78話 ユケン・アザン
→→→→→兄ターン
テレポート阻止は簡単じゃないらしい。備える必要がある。ハンディだが、人魚の半分は守備魔法と軽い威嚇攻撃に専念。
だが、ミラリカさんや他の半分の人魚はガンガンいける!
蟹は『カイザーリバーシザー耐寒亜種』。水系は効果が薄いから電撃、爆破、無属性魔法やスキルが脚に撃ち込まれるっ。
乗ってるユケン達は手下2人が守備魔法とハードシェルを連発して耐えてる!
俺は取り敢えず吹雪に紛れるようにかなり高いこの層の天井の氷柱まで跳び上がっとく。
攻撃する際の『飛び上がる』件を一手省略だ。
ついに脚が砕かれて蟹が止められる頃にはもうかなり近付かれてる! ユケンはあっさり蟹の召喚を解除して、代わりに出入り口で見たランスシェルを数十体召喚しながら手下と共に隊に突進してくるっ。
ランスシェルの『旋回突撃』も一斉にやられると厄介!!
ナンクゥーがブラウニーに金属針を連射させて貝はほぼ迎撃したが、初手の範囲攻撃とブラウニーの最大発現を消費させられちまった。
ここだな!
俺は左手に毒の鋏型武器『ヘルシザー』を装備し、右手に単純の攻撃力が高い戦斧型武器『岩下ろし』を装備してるユケン、ではなく、側でユケン達をガードしまくって厄介な大盾持ちの手下に向かって急降下した!!
「?!」
気付かれてハードシェルを使われたがエアマスターのドラゴンハントが勝る! 大盾を砕き、守備魔法と鎧の胸部も砕いて昏倒させたっ。ウォーロックサインで魔力も回収。
「いい判断だっ!」
「そりゃどうも!」
作業ナイフは3層で回収できなかったから、山刀を投げ付けてからユケンに打ち掛かったが、鋏で砕かれ、一手使わせても後の先を簡単に取られっ、さらに間合いの短いはずの斧にいきなり頭をカチ割られそうになってエアステップで慌てて回避するっ!
正規ルートと凍り付く通路が叩き割られる! スキル無しじゃガード不可だなっ、こりゃ。
すぐに吹雪の中、ゴーグルをして飛行絨毯で低空飛行するボルッカが発破玉にレッドジェムを合わせて火力を上げたのを投げ付け援護してくれた。
ミラリカさんも乱戦を抜けてきたっ。
「遅れました!」
「うッス!」
2人掛かりで格上に挑むっ。強い対人だ、ちょっとワクワクしてる!
ノッコは乱戦に巻き込まれたナンクゥーのフォロー。カズネはランスシェルの取り零しに絡まれてる。人魚達は残り手下4名と貝の生き残り少々の相手なんだが、この魚人の手下達が手強いっ。守備魔法使いも上手く仲間の後衛をキープしてる。
中々、当初プラン通りにいってないがっ、取り敢えずユケンに対して3対1の構図を作れた! ヤツが言ってた増援云々はありそうだが、決まったことじゃない。ここで削り倒す心積もりでいかないとなっ!
→→→→→妹ターン
旋回突撃を人魚の人達の掛けてくれた守備魔法とガードワンドの障壁と念力で弾くっ。
着膨れと吹雪と凍り付いた通路で私の体捌きじゃ立ち回れないからパフオで重さ0からのムートの念力で立ち回ってる。
ナンクゥーもノッコに守られつつさっさとドリアードに乗ってラカの熱線で反撃してる。
ノッコ、こっちには来てくれないし!
「負けないぞっ」
というかヒロ兄どこ?!『カズネさんが貝達と決闘する』とか作戦になかったよね??
と思った側から貝2体にサンドウィッチな感じで突撃食らったわっ。障壁で受けるけど2方向からだから弾き難いわコレ! カズネさんパテにされるわコレ!!
「うぎーっ!! ふと思ったけど、異世界来てから私を好きになるイケメンがそういえば1人も現れてない怒りをここで爆発させるわっっ、ジガ!!」
電撃魔法を間近で2体に撃ち! 中からこんがり焦がして甲羅を割って脱力させ、弾いてやったわっ。
「はぁはぁっ、どんなもんじゃい! 放送部の白き稲妻とはこのカズネさ」
言い終わらない内に、いきなり残りの貝達の召喚が解除され、代わりにロックアーマークロコダイルが5体召喚!!
この1体が爆走しだしてユケンが飛び乗ったっ。ヒロ兄が追って飛び付きに掛かるけど斧を投げ付けられて慌てて守備魔法の障壁と槍で受けてふっ飛ばされちゃう!
「あばよ!!」
ユケンは巨大ワニに乗って守備魔法で守られた人魚達を吹っ飛ばしながら、炎の凍て付く廟に直進する!
こっちは残り4体のワニ達が大暴れして、ますます乱戦になるっ。
「カズネ! 追うぞ!! 念力だっっ」
「ヒロ兄、丸投げ?!」
でもカズネさん頑張るよ! まず念力で上昇っ! 吹雪で視界悪くても、魔力運用の基本、『魔力探知』できっちり知ってる気配を探る···
ヒロ兄でしょ、ノッコにナンクゥー、ミラリカさんに、飛行絨毯で飛んでるボルッカ! 探知OKっ!
「んん〜っっ、ムート!!」
自分を含む、ボルッカ以外を全員念力で一本釣りしてっ、ボルッカの飛行絨毯にキャッチさせる!
「おいっ、雑ぅっ?!」
衝撃で急降下してロックアーマークロコダイルに丸呑みにされかける!
「綺羅星です!!」
ナンクゥーが光のラカを瞬間的にフルパワーで使って口を焼き、難を逃れたわっ。
「ボルッカ! 追ってっ」
「追うけどよ! あぶねーからなっ?」
私達の飛行絨毯はユケンを追って、吹雪の中、乱戦を抜けていった。




