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瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


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33話 ギムリーピタヤン防衛戦!

→→→→→兄ターン



『ギムリーピタヤン』地球でいうところのドラゴンフルーツ的な果実なんだが、実がグレープフルーツくらいで柔らかいが弾力もあり、全体的にたゆんっ、としたアロエのような葉? に生る果実だ。


甘い香りで栄養もあるが通常は案外薄味でプルプルし過ぎてそのままでは食べ難いので主に菓子や飲料に加工される。ギムリーの特産品。


その中でも特級品は自然に近い環境で育てられる為、野外の魔除けの簡易城壁で囲われた広大な農園で育てられていた。


しかし···最近野外農園にポコポコ穴が開けられ、特級ギムリーピタヤンが盗まれまくっていた!


犯人は特定されている。モグラ型獣人『ワーモール族』の高級農産物専門盗賊団っ、『ラカンテ一味』の仕業だった。


天塩に掛けて育てた高級フルーツを盗んで売るっ! 極悪だコイツらーっ、許さん!!


というワケで俺達は町長の御指名依頼としてっ、地中を素早く移動し神出鬼没の為、自警団や常駐は十名に満たない衛兵ではお手上げのラカンテ一味を俺達はとっ捕まえることなった。



···連中の夜の襲撃に備え、夕方、俺達農園現地で作戦の確認を始めていた。


「事前にナンクゥーに探知してもらったヤツらの『地中の道』の情報を元に、農園外のいくつかの出入り口は自警団の皆に見張ってもらってる。衛兵隊の皆さんにはカズネの合図で『臭い玉においだま』をヤツらの道に放り込んで誘導してもらう」


「任せろ! 軍で鍛え抜いた実力でっ、穴に玉を投げ入れる!!」


···ま、人手は足りないから。


「合図のタイミングはナンクゥーは事前の広域探知でバテちゃったから、吉田さんの『木材探知』の応用でヤツらの侵入と配置を探知してもらう」


「ワシを巻き込むなワシをっ」


無理に連れてこられてめちゃ不機嫌な吉田さんっ。因みにナンクゥーは土器ゴーレムの護衛で、農園の作業小屋でドリアードと一緒にダウンしてる。


「嗅覚が鋭いワードモールを一カ所に誘導し、あとは俺とボルッカとノッコでボコすっ!」


シンプルな作戦だ。ラカンテ一味は十数名。大体D級冒険者の実力らしいが、状況的優位はある!



そして、夜。俺達が『虫除け剤』を振り直していると、


「···来たぞい。3手に分かれておるの」


吉田さんは詳細位置をカズネに伝え、カズネがエルの魔法で夜空の『炎の文字』を描いておおよそ当たりを付けて各所に散らばってる衛兵達に報せる。


こっから時間の勝負! 衛兵十数名は夜の森の農園をカンテラ片手に「うぉおおーーっ!!」と猛ダッシュっ!

そして指定位置に差し込まれてるくり抜いた竹筒を通してスィッチを入れた臭い玉を投げ込みまくり、内部で炸裂!!


地中の通路で臭気に襲われたワーモール達はパニックを起こし、押し合い圧し合い、俺達3人が灯りを焚いて待ち構えるポイントの地表に飛び出してきたっ!


「「「ぶはっ?! 臭ぁーーっ??!!!」」」


おっほっ、だいぶ弱ってるな! 確かに臭いっっ。


「いらっしゃいませーっ!!」


「散々盗んだお代はこちらまでだぜぇっ!!」


「逃がさへんでぇっ!!」


捕物開始だ!



→→→→→妹ターン



私は自分と、1人にできないから吉田さんもムートの魔法の念力で持ち上げてヒロ兄達の交戦ポイントまで飛行中。


「取れたてのギムリーピタヤンは中々美味いのう」


脈絡なく、いつの間にか取った高級フルーツをもしゃもしゃ食べてる吉田さんっ?


「吉田さん、泥棒!」


「約得約得。お主も1つ食べるとよいぞ?」


もう1個差し出してくる吉田さんっ。


「···」


なんか、甘い香りで、たゆんっ、てしてる。


「まぁクエスト進行上の実態調査? みたいな」


受け取って、むちゅっ! と割ってかぶり付いてみた。

思ったより甘っ、柔らか、粘り、濃厚!!!


「むっほぉ〜っ! そりゃ夜な夜な盗みに入られちゃうわ〜!!」


「だのぉ、ほっほっほっ」


私と吉田さんは農園上空の夜空でムシャムシャとギムリーピタヤンを完食した。


「···ふぅ〜、食べちゃった。はっ?! ヒロ兄達は??」


「決着つきそうであるぞ?」


下では既に半数のラカンテ一味のワーモールが昏倒させられてた。


「よっ、からの、ほいっと!」


鎖鎌で牽制からの高速突進してシルバーダガー二刀流で回転斬り技スピンエッジを放ち、ワーモール達の防具や武器を切断し、無防備にするボルッカ。そこへ、


「どすこぉーーいっ!!!」


容赦なく大盾を構えたノッコがハードシェルを発動して跳ね飛ばし、昏倒させてくっ。


あとは首領のラカンテだけになった。鉤爪を両手に装備してる。


「クソガキっ、町長の犬もぐなっ!」


「わんわんっ!!」


地上でも結構素早く力も強いらしいラカンテの猛攻を低い一段落のエアステップを連発して器用に躱しながら、作業ナイフ、山刀、ジャベリンと、段々重い武器を投げ付け怯ませ隙を作りに掛かるヒロ兄っ。


「うざったいもぐっ!!!」


「へへ、1個新技試していいか?」


「もぐっ?!」


エアステップの連打に視点が高くなっていたラカンテに対し、急にエアステップを使わず着地して低く真横をエアステップで数回蹴ってラカンテに迫り、武器で組合いになると即座に、ラカンテごと真上にエアステップで大ジャンプするヒロ兄!


「もぐぅううっっ??!!!」


ヒロ兄は自分だけエアステップでもう一段飛び、さらに真上から真下にエアステップで蹴って急降下し、ショートグレイブの石突きをラカンテの背に打ち込んだっ。

そのまま地面に激突させて昏倒させっ、一跳ねして着地するヒロ兄。


「技名『ヒロシ・コメット』な」


ちょっとネーミングセンスないヒロ兄! でも私達はラカンテ一味を撃退できた!! しゃっ。



···一夜明けて、私達は町長室に来ていた。


「お疲れさん。いい捕物だったね。取りこぼしも自警団で取っ捕まえられた。報酬は満額だ! ちゃんと吉田の爺さんにも分け前払いなよ? それからこれは農園からだ」


秘書の人にどっさり差し出されたのは山盛りギムリーピタヤンだった。


「祭りやぁ〜っ!」


「アイスにしましょう」


「これ、肉の煮込みにも使えんだぜ?」


「あざーすっ。···カズネはもう食べてたみたいだけどな?」


振り返って小声で言ってくるヒロ兄っ。


「いやっ、どっかなぁ? 夢? あれ? なんか、一杯生ってたから口開けたら入ってた、かも??」


取り敢えずトボけとこっ、不可抗力!!

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