32話 串焼きと町長の依頼
→→→→→兄ターン
俺とカズネとボルッカが教練所に数日通っている間に、ざっくりとではあるが旧管理人ハウスの改修は完了した!
「「「お〜っ!」」」
いや、地味は地味だが、『事故物件』から『片田舎の感じのいい中古物件』に刷新されてる!!
「いや思ったよりちゃんとしてるな」
「果樹園のボリュームが本気だよねっ」
「5日ちょいで仕上げるの凄ぇよ。つか、もうコレ商売にできんぞ?」
教練所組、外観にひたすら感心。
ノッコ対策でよく見るとしっかり補強され、出入り口や窓も大きい造り。
吉田さん用に1階は手摺やスロープが多く、段差はなるべく無くしてあった。
管理し易くの程よい間隔と大きさで配置された庭木。
カズネの言った通りわりと本気な規模の果樹園。
花壇や畑も少々。
潰れた井戸も復活し、ポンプが付けられていた。
「老いてもワシのチート家具と、木材加工スキルは健在なのだ!」
「ヨシダは木を乾かしてばっかしだったけどな」
吉田さんと結構ずっといるレプラコーン達。
「ウチは元々自警団と土木工事やっとったから」
「ボクのドリアードパワーの活躍も忘れないで下さいね。ふふふ」
実際、ノッコの活躍は30人力くらいだった。『小型重機兼プロ土木作業員』みたいなもんだから。まぁ重いから足場悪いとこに間違って入ると『どんどん家解体』しちまうけど···
ナンクゥーは初日以外はわりとぷらぷらしていたが、レプラコーン達に『フェアリークッキー』や『フェアリーティー』を作って御機嫌伺いした功績はわりと大きい。
どうも年取ったヨシダさんとの使役契約は『昔のよしみで来てやってる』くらいの物で、強制力は薄いみたいだったし。
「1階のワシのアトリエは完璧だの」
作業場、倉庫、資材置き場、仏像等の趣味品置き場で1階の使えるスペースの6割を贅沢に使っていた。それ以外の生活スペースは、寮? てくらい簡素だったが掃除が楽らしい。
「もうジジイで風呂の管理なんかが大変だろうから『土器ゴーレム』を造ってやろう。俺様達からサービスだ」
レプラコーン達が家の管理用のゴーレムをくれるらしい。コレは助かる。
「受け取らんではないの」
吉田さん的リアクションだったさ。
で、2階!
「「「お〜っ!!!」」」
「『百花繚乱亭ギムリー支店』です」
「自分の家初めてやーっ!!」
うん、いわゆるシェアハウス仕様。個室と共有のリビングキッチン風呂トイレ等々。装備品のチェックやちょっとした作業用の何もない板間もあった。
「空き室もいくらかあるよ!」
「なんか宿屋始めたくなっちまうなぁ」
「いいなっ、床も頑丈だし、ノッコが歩き回っても大丈夫だ」
「走っても大丈夫やでっ?」
ノッコがはしゃいでドスドス走って皆を笑わせたが、
「カーッ、うるっさいのぅ!」
1階の吉田さんに普通に怒られた。うん、生活マナー気を付けよ···
とにかく吉田ハウス(2階は百花繚乱亭ギムリー支店)は完成した!! 地下室の使い道は取り敢えず保留。よっし! ネオ山梨の初拠点、できたぞ?
→→→→→妹ターン
吉田ハウス確認後、吉田さんは億劫がったけどそうもいかないなから自警団や分署の人達を招いてネオ山梨的なフランクな野外会食『串焼き会』を開くことになった。
これたぶん地球のバーベキューパーティーの影響大きいと思う。吉田さん曰く「野営でもないのに外で食べる意味がわからん。ワシが広めたわけではないからのっ」とのこと。
でも私もヒロ兄も他の皆も、スパイシーな味付けの串焼き会楽しめた。
レプラコーン達も持参の妖精界の小さな小さなツマミとお酒と、ナンクゥーの作った『フェアリーアイスクリーム』で上機嫌だった。
···翌日、ギルド経由で私達は町長に呼ばれて役場の町長室に来ていた。
「家! 改修できました。あざーすっ」
「これ、昨日の串焼き会の残り物ですがジンジャーパウンドケーキですっ」
ヘコヘコして町長にお土産渡したりする瀧川兄妹だよ。
「···家はいい。ちょっとはマシな装備になったね、タキガワ兄妹」
そう私達の装備はそこそこ刷新された! ヒロ兄は鉄のバックラーを買い、ヘッドギアタイプの兜と軽量鎧も鉄製になった。
私も見習い魔女シリーズよりパワーのある『茄子の魔女シリーズ(茄子のヘタや紫を凄いフィーチャーてるっ)』の帽子とローブを購入。
相変わらずコンカフェ感あるけど、守備力と魔力アップ! なんで茄子かは全くわからないけどっ。
ノッコにも、そう言えば持ってなかったニンフの指輪を買った。
「家の改修、串焼き会、教練所で訓練もしたんだろ? あんた達、今···金欠だね?」
「「「うっっ」」」
そう、ゴースト退治から奴隷商撃退と、結果的にお金が続けて入った私達は少〜しだけ財布の紐が緩くなりどんどんお金使っちゃってた···ボルッカも高いお酒買ってたし、ナンクゥーも氷温缶を買い溜め···
「ギルドには話通してある。一仕事、しないかい?」
ギムリーの町長はニヤリと笑った。




