26話 令和の子ら
→→→→→兄ターン
「ざっと改めて確認してみたが、ザネルの村長に特別悪い話は聞かない。けどよ、長年貧民街を放置してる雑なとこのある人物でもある。クエストに臨むくらいの準備してこうぜ?」
俺達より早く、正午くらいにカッ! とすぐ起き出して支部の酒場を中心に聞き込みしてたらしいボルッカの忠告を受け入れ、俺達は霊木の灰や聖水、ポーションなんかの消耗品の買い足し、それほど傷んでなかったけど装備の軽めの整備もした。
あとは俺は投擲槍のジャベリンを3本買ってみた。カズネはちょっとボロいけど安売りしてた火炎魔法『エル』の魔法書の購入。
ボルッカは鎖鎌を一組購入。ノッコは冷蔵樽を購入し、青果等を詰め込み詰め込み···
ナンクゥーは鉢を収納ポーチから出して、買った『マナ練り油かす』『マナ練り石灰』『グリーンポーション(植物に効く回復薬)』を入れて混ぜ合わせてそこにドリアードを突っ込み、香を焚き周りで『ネルドーア式ニンフの舞い&ゼゼシュ式ドリアードを讃える魔法歌』を舞い歌いドリアードを労い、力を蓄えさせていた。精霊使いっぽい!
あれこれしてる内に夕方になってしまった。
絡まれないように装備の上から全員フード付きのマントを羽織って、色々ニオイや視線が厳しいザネルの貧民エリアに再び向かった。
「ヒロ兄、一応ここのトラブル片付けたのに凄いアウェイだよ!」
「関係者以外知らないし、宣伝しても絡まれるだけだと思う」
「うん。黙ってこう···」
不穏な通りを抜けていった。
村長の封書にあった場所に来た。崩れたような家の一部に出入り口が取り付けられていた。鍵が掛かっていたが、呼び鈴があるでもなし、呼び掛けても返事はなし。
仕方ないからボルッカに鍵を開けてもらい、またナンクゥーに夜光花を出して浮かしてもらって明かりにして、内部に入っていった。
すぐ地下への階段だ。
「とても怪しいですね」
「通路が狭いわ〜っ、むぎゅぅっっ」
「オイラが罠は確認する」
俺達は用心しながら夜光花を頼りに階段を降りてゆく···
→→→→→妹ターン
階段を降りきるとまた扉だったよ。外のより頑丈そう。なにか守りの魔法も掛かってた。
ボルッカが扉に鍵が掛かってるのと罠はないことを確認して、私達を振り返って、頷き、扉に向き直った。
「冒険者ギルドの鍵師ボルッカとその仲間達だ! 村長の紹介できたっ。封書もある! 読むか?」
言いながらボルッカが手を出したからノッコがその手にそっと、林檎を1つ置き、投げ返されて「ええっ?」となったりしたけど、ヒロ兄が村長の封書を渡した。
ボルッカは牢屋にあるみたいなドアの下の閉じられた小窓をノックした。
返事は無いけど、気配と足音が寄ってきて、小窓の鍵が開く音がした。
ボルッカは封書をその小窓から中に入れた。
気配はドアから離れたけど、しばし沈黙。そして、
「(日本語)邪馬台国の女王は?」
「「え?」」
私達は顔を見合わせた。地球クイズきた!
「(私・日本語)卑弥呼様!」
「(日本語)平家が決定的に敗れた海は?」
「(ヒロ兄・日本語)壇ノ浦!」
「(日本語)信長が暗殺された寺は?」
「(私・日本語)本能寺!」
「(日本語)維新後、西南戦争を起こしたのは?」
「(ヒロ兄・日本語)西郷隆盛!」
「(日本語)戦後、日本に来た連合国軍のボス司令官は?」
「(私・日本語)マッカーサー!」
「···(日本語)平成の次の元号は?」
「(私とヒロ兄・日本語)令和っ!!」
答えたらいきなりガチャガチャ鍵を開けだしたっ。ええ??
「(日本語)レイワだとぉーっ?? とうとう次の元号のヤツらが来やがったぁーーっっ!!!」
中から『布の服』を着て『檜の棒』もしっかり持った、髭もじゃボサボサ頭の日本人のお爺さんが飛び出してきた!
えええぇーーーっっっ????




