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瀧川兄妹異世界転移する!  作者: 大石次郎


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24話 ウドゥーン探検隊

→→→→→ずっと妹ターン



ギムリーに戻った私達。


ノッコのギルド登録はバーデラの村長さんの紹介状や自警団で鍛えた実績とオーガとしてのフィジカルが評価されて、3日間、基礎的な講義と演習を受けるだけでD級戦士職が取れそうだった。


ただバーデラで、羅刹の指輪は高過ぎたから呪い耐性のみの『ラピスの指輪』を買って、ノッコもギムリーで同じの買ったから、結構パーティー資金全体としては心許ない。


で、ヒロ兄とボルッカは近場で討伐や採集の簡単なクエストをすることになった。


ノッコの食費問題は結局使わなかった滋養円盤の大量ストックがまだあって、しばらくは大丈夫そうだけど。


金策に関しては私とナンクゥーも参加しようとしたら、


「肌荒れしてきてる」


「連れてるドリアードに棘が付いてきてっから!」


と2人に休むように促されて、無理せずお言葉に甘えることにした。


といってもただ休みのはちょっとないな、となり、私とナンクゥーはゾフちゃんとタレップちゃんも誘ってギムリーの美味しいと評判の『ウドゥーンの店』を朝から回ることにした。


ノッコや皆に紹介する為に! という名目でっ。


1店目は創業160年(長いっ)、『潮騒アルザ』という、今はドワーフとロングフット族のハーフの人が主人をしてるウドゥーンの店。

余計な装飾がなく、店構えがすっきりしてる。


出されたウドゥーンは淡麗な出汁にソイソースが加えられたシンプルな一品。具はちょっとスパイシーなのとろろ昆布的な干した食用水草酢締め、淡水魚の練り物の浅煮、赤身魚燻製の削り節!


私達は頂きます的なネオ山梨作法をしてから早速賞味した。


「赤身魚燻製と干し海藻出汁が利いてる!」


「まぁ基本形だね」


「ギムリーなんて内陸だから原価は出汁に持ってかれてんだよ、コレ。具少ないし」


「すっきり。脂肪と卵の強いこってり系アイスを食べたあとの締めにちょうどいいです」


さすが老舗! 朝一にピッタリだった。


腹ごなしに池のある公園でにしてはデカいに売ってる餌をやったりして、その鯉達のアグレッシブさに「育ち過ぎっ」「地獄の蓋開きました」と、わーわー騒いでから昼前に、2店目!


ちょっと今風の、若者も来ていいんだぜ? 的な店構えの『雷々坊(らいらいぼう)』に小一時間並んで入店!


出されたウドゥーンは、白濁淡麗スープに薬味たっぷりっ。


「へぇ、鶏ガラと赤身魚燻製のダブルベースかぁ。ハーブの薬味を多めにしてバランス取ってるんだ」


「こういうのが一番欲張りだと思うわ」


「鶏ガラが安いのと、海藻使ってないからその分ハーブの薬味に原価ぶっ込みだよ、コレ」


「柑橘系アイスのあとの締めに適していますね」


なるほど、シンプル過ぎる潮騒アルザじゃ満足できないような客層にアピールが利いてた。


今日はあと2店回るから腹ごなし大事! 私達は画廊に寄ってみて「これは母性を表現してるんじゃない?」「じゃこれは、ワシもっと売れたいわ〜、て表現してんじゃないの?」なんてゾフちゃんとタレップちゃんが身も蓋もない評をしたりして、そこそこ盛り上がった。


3店目!「野豚(のぶた)道場」っ。少し外れた時間に行っても40分並ばされたね。


なんというか、ハードボイルドな、作業場的なオイリッシュな店構え。掃除、大事だと思うんだけど···


とにかく頼んだら、ハーフでも大盛りサイズ! 脂っこい煮野菜煮豚がドカっと盛られてるっ。


「出たぁーっ、背脂ビチャっ! 野菜豚骨ベースっ。もはや、ウドゥーンだかなんだかっ」


「厚切り煮豚はパンに挟んで食べたいね」


「豚骨野菜ベースはかなり安いっ。結果、煮豚ドンっ! 煮野菜ドンっ! 背徳感あるわ、コレ!!」


「···うーん? ミント系シャーベットなら合うかもしれませんね」


全員完食に四苦八苦したけど、他の客達が普通盛りの桶みたいなのを取り憑かれたように食べ続けるのがちょっと怖かったよ···


3食食べてもうお腹一杯だったから、私達は結構フカフカした長椅子があるから、冒険者ギルドのロビーで昼寝を敢行! 通りすがりの冒険者達に「おい、牛が4頭寝てるぞ」「明らかに昼寝しに来てるな」等と言われたけど、気にしなーい。


そうしてお腹もこなれた私達は、夕方の街を1時間てくてく歩いて、さらに50分並んですっかり、暗くなる頃、本日最後の店に入店した。


一撃爆裂紅いちげきばくれつくれない亭』だっっ。出てきた一杯は、赤いスープに刺激臭!


「真っ赤! 辛っ。牛骨に干しシイタケと野菜のダブルベースかぁ。熟成辛子ソイペーストに合わせるにはこれくらい主張強くないとバランス取れない感じ??」


「ニンニクも強いし、色々時と場合を選びそうね」


「出汁の原価はそうでもないよコレ。やっぱ辛子ソイペーストとかスパイスに持ってかられてる。見た目インパクトあるけど、薬味や付け合わせ自体はシンプル」


「ううっ、舌がっっ。ボクは完食できそうにないのでカズネに任せますが」


「私っ?!」


「これだけの攻撃力が高いとリキュールの利いたチョコレートアイスのあとの締めでいいかもしれませんね···」


本日最後のウドゥーン実食はまさにラスボス戦仕様だった。全員大汗かかされたよ!


···中央広場の噴水の縁に4人で座って涼む。ナコムっていう小さいココナッツみたいな果実のミルキーな果汁を皆、麦の茎のストローで吸ってた。これはドリアードにも買ってあげた。


「ふぅ〜、朝からウドゥーン4杯は大変だったね。最後、辛いの一杯半食べたしっ」


「ウドゥーンは来月までもういいわ···」


「原価と商品の直結具合、面白い! ある意味原価も食材の一部だね」


「取り敢えずボクは辛いのダメ、と理解できました」


汗が引くまで涼み、ゾフちゃんとタレップちゃんと分かれた私とナンクゥーは、ノッコが泊まり込みでいるはずのギルドの教練所に焼き菓子でも差し入れしてから宿に帰ることにした。


「カズネ、収納ポーチの氷温缶は魔力をチャージしてあります。アイスも買ってゆきましょう」


「ナンクゥーが食べたいだけじゃーん」


「ふふふ、どうでしょう?」


今日、ヒロ兄とボルッカは『フラワースライム』の身体に生えてる『スライムフラワー』を採取するクエストでちょっと遠出するから野営するらしい。

ほんとはダメだけど、今夜はこのまま教練所の女子棟に泊まってノッコと女子会しちゃおっかな?

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