15話 鑑定眼
→→→→→兄ターン
「で? その百花繚乱さんは···えーと、民宿泊まれ、てこと、だよな?」
インパクトは確かにあった。魔力量的に殺されるかと思ったがっ。
「どうでしょう? 泊まってもらえると助かりますね。ボクは1人紹介するごとにお姉ちゃんからお小遣いを貰えるシステムなので」
「システム···」
「つかお前、ナンクゥー。そのドリアードすぐ使うなよっ、しまいに『森のお花畑怪人』としてギルドから捕獲依頼出されんぞっ」
「どうでしょう? 話し掛ける切っ掛けって難しくないですか? あとボク、百花繚乱なんで」
クールにポーズを決めるとお供のドリアードが映える感じで花吹雪を放った。う〜む??
「なんでもいいけど、私達、早く宿でお風呂入りたいんだ? 変なとこじゃないよね?」
俺の妹、泊まる気になってる??
「泊まりたければ泊まればいいんじゃないですか? ボクの牙城、『百花繚乱亭』にね。フフ」
「因みにヤツは客引きはしても民宿の手伝いはあまりしないタイプだぜっ?」
「「···」」
取り敢えず断ったらさらに絡まれそうだから、件の民宿に行ってみることになった。
民宿の名前は元々『若葉のさざめき亭』だったのが乱暴に塗り消され『百花繚乱亭 我が城』と書き換えられていた。主張、つっよ。
百花繚乱亭は民宿兼食堂で、あまり旅人自体来ない郷のはずで、食堂業がメインかな? 郷民だけでそこそこ繁盛していた。
カズネよりやや低く、身長153センチくらいのナンクゥーとお供のドリアードに先導されて食堂の方から入っていった。
→→→→→妹ターン
「おお! 百花繚乱が帰ってきたっ」
「待ってました!」
「よっ、今日も満開!!」
謎の人気っ。
「泊まり客を、3人げっと」
またクールなポーズで花吹雪を放つナンクゥー。
「「「お〜っ!!」」」
やんやの喝采だよ。私達が戸惑ってると、
「いらっしゃいませ」
ナンクゥーと似た顔立ちだけど細目で身長170センチはある『大人版ナンクゥー』のような女性が厨房から出てきた。
「お姉ちゃんですね。この宿のボスです」
ボス···
「うふふ、お客様ね。ボルッカ君と···っ!」
急にカッと目を見開くナンクゥーのお姉さんっ。
「お姉ちゃんは『鑑定眼』スキルを持ってます」
「「えーっ?」」
姉妹揃って設定強くない??
「性質! 能力! パーティー構成! タイミング! ナンクゥーちゃんとの相性! バッチリねっ。···ナンクゥーちゃん」
「なにお姉ちゃん?」
「この人達に付いていって、外の世界で修行してきなさい」
「「「えーっ?」」」
ボルッカの時より展開早っ。
「ボク、この郷の暮らし気に入ってるよ?」
お姉さんはナンクゥーの肩に手を置いた。
「私の鑑定が正しければ年々高まるナンクゥーちゃん魔力は、10年後にはこのゼゼシュ郷を巨大植物のお花畑で呑み込み滅ぼしてしまうわ」
「「「「「えーーーっっっ?!」」」」」
他のお客もビックリだよっっ。
「面白そう」
「「「「「やめてーーーっっっ?!」」」」」
もう封印しなきゃいけないナニカじゃんっ!
「長老とも相談してたんだけど、ちょうどよかった。皆さん、ナンクゥーちゃんをお願いできる?」
私達3人は顔を見合わせ、ナンクゥーの方を振り返ってみると、
「でも外の世界も面白そう」
またまたクールなポーズでドリアードの花吹雪を起こしてくるナンクゥーだったよ···




