約束6
もう一話!夕方の続きです
どうぞー
ミリアは寝ぼけていた。
そう、ミリアは寝起きはいいのだ、早起きも得意だ、が、しかし
寝入りのミリアは最悪だった
今までの暮らしの中で眠りの入りを邪魔された事はなかったため、このミリアを知っているのは
一緒に暮らしていた家族くらいだろう、知り合いも寝起きの良いミリアしか知らない
寝入りのミリアは・・・
そう私は牢屋にいる!
牢の部屋は、特殊な作りで普通の扉を潜りその先に鉄格子があり簡素な部屋がある
今、扉と格子の間の部分、目の前でこちらを睨みつけている男性は初めてお会いする方だ
制服からして騎士に違いなく、第二第三部隊の方たちとは仲良くなった私が知らないならきっと
第一部隊、王に近いと言う騎士だろう。
「なぜ、あのスープを出すように勧めたのだ、答えよ!」
(あぁそれにしても眠い、先ほどから聞くに、どうやら私がクフォの実を出さない口実に勧めた薬草スープに毒が入っていて・・・)
「毒?!王へ出す食事に!!そ、それじゃアルは!どうなったのですか!毒なんてそんななぜ!二画の厨房には信用にたる者しか入れないはず何故そんなことが!」
「アル?何を言っているのだ!毒を入れたのはお前なのだろう!」
(近親者しかよばない王のあだ名を騎士が知るはずもなく)
バンっと叩かれる机にビックりして
ついで、スっと目が座るミリアのその様子に、日ごろ鍛えているはずの高位でもある騎士がたじろぐ
目の前の、背筋を伸ばし粗末な椅子に座っているただの町娘からは、今まで感じたことのない冷気が漂う
「貴方・・・冤罪でしてよ、大体わたくしがなぜ殿下に毒を盛らなくてはならなくて?」
「な、んだ、娘お前・・・」けをされそうになりながらもハッとする騎士
「狙いは殿下だったのか!」
「?貴方が先ほどおっしゃったのではなくて?アルレシオ様が毒を盛られたと・・・」
「は?何を言っている、だから王が食べる予定だったスープだとそういっているだろう!それをフレオ殿下に毒を盛ると言っただろう」
「だから、アルレシオでん・フレオ殿下?・・あぁ陛下・・・なのね」ふぅと少し息をはくミリア
(そうだ王はアルで、だからアルに毒を、フレオ殿下って誰?なんだか考えがまとまらない・・・)
「お前?」
「いえ、毒を盛られたのだけど、口にしてはないとのことでしたね?それで私が入れたと?」
「あ、あぁ」
「不可能ですわ」
「なんだと?!」
「二画の料理人たちの料理は王族と高位貴族へ提供するもの、本来であればその食材にすら私たち三画のものは近づけません、そういう作りになっているにです、王城の厨房とは特殊なのですよ、あの時私達はお手伝いの場へ入ることも許されませんでした…私のせいで」
ふと微笑んでみせるミリアの自信とも威厳のある姿に
「なに?」
と後ろに控えていた別の騎士、少し考えるそぶりをした騎士は
「王城内の厨房の作りのわかるものを、それと・・・この娘がスープを出すように言ったとの発言をしたものからもう一度話を聞く」
と牢内にいた同じ隊の騎士へ命令する、おそらくこの男の方が位が高いのだろう
先ほどの騎士と場所を代ると
「失礼だが、本当に貴女がスープを出すように言ったのではないのか?」
「確かにスープを進めました」
口調は丁寧な騎士が視線を鋭くする
「ですが、私が言ったのはクフォの実を出さない様にとのお話だけです、あのスープへ薬草を入れていたのでその薬草とは食べ合わせが悪いと聞いたことがある・・・と」
(何かしら、何か・・・あの時・・・)
「薬草?」
「えぇ・・・どこで見たのか、町の薬師の方が・・・」
(本当はどこで見たのか・・・町の薬師があの草をもっているはずがない・・・だってあれは)
「あぁ、私ったらなんてことを・・・あれは、あの草は薬草でも劇薬になるもの・・・」
「なに?」
「あの時、少し不思議な香りを嗅いだような気がしたのです、あの時スープへ入れていた薬草は」
震えを抑える様に自分の肩を抱くミリア
ガチャっ
「レダリアの葉だ」
牢へ通じる扉を開けて入ってきたのは
「ルルシル隊長」すっと頭を下げる騎士
「先ほど魔術師による解読が終わった、レダリアの葉、確かに劇薬だ
だが、うちの魔術師は優秀でね、スープを食べた者もかろうじて命を拾ったよ」
それを聞いたミリアは少し息を吐いた
「隊長・・・この娘は」
「あぁ、続きの話は私が聞こう」
「はっ」
騎士が右後ろへと下がり
「ルルシル・・・第一騎士長様」
目が笑っていないほほ笑みをミリアに向ける男こそ
アルレシオ王の右腕である、王の守り手第一騎士長ルルシルその人であった。
幼い頃よりアルレシオと共にある少年だったもの。
(あいつらめ・・・はぁ、とにかくこの娘を牢からだしどこかへ移動させねば、騎士が牢を破ろうという勢いで詰めかけられては、どんな醜聞だ!)
「・・・ロウ、牢番のところへゆきカギを持ってきなさい。」
「はっ」
去っていく控えの騎士
「君はここ数か月のうちに第三第二騎士長をうまく手なずけたようだね?」
少し眉間に皺お寄せてミリアへ視線を向ける
「手なずけるだなんて・・・」
心外そうな顔をして答えるミリア
「君に疑いがかかってから、まず第三騎士長のジルが訴えてきた、ミリアがそんな事をするわけないと」
「ジル様・・・」
「一緒に来た三画の厨房長も現場では一緒にいた、その上で君がおかしなことはしてないと主張していた、もし君が犯人なら自分の命も危ないというのに」
「料理長まで・・・」
「そして第二騎士長とその他第二第三の騎士達非番のものまで駆けつける始末・・・いったい君は何者だ?」
「私は・・・」
「ただの人気者ってだけなら釈放しようと思ってたよ、でも関わりのある騎士たちがこれほど君を想っている事態は一種異様だ、それに、君はあのスープに入れられた草が何か知っていたね?」
「えぇ・・・少し思い出すのに時間がかかってしまったけど」
にらみつつ無言で話の続きを待つルルシル
「レダリアの葉は、殿下と貴方と私が魔術師たちが育てる薬草園へ忍び込み見つけた、あの少し甘い香りのする白い・・・花びらいっぱいの、あの花の葉よね?魔術師の方にすごく怒られた、あの・・・」
「は」の口のまま固まるルルシルを見ているのか見ていないのかミリアは・・・
やっと…




