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追放された鍛冶錬金師は、数値を信じるギルドを見限って静かに最強になる 〜評価されなかった生産職ですが、使った人だけが違いに気づきます〜  作者: 神崎タクミ


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第38話 撤退

 流通は、静かに戻った。


 ある日を境に、素材商からの返答が変わる。


「来週にはご用意できます」

「以前と同じ条件で」


 価格も、落ち着きを取り戻した。


「……解除されましたね」


 ミレアが、帳面を確認しながら言う。


「ええ」


 カイルは、特に驚かない。


 商会からの正式な通知はなかった。

 謝罪もない。

 和解もない。


 ただ、圧力が消えた。


 数日後。


 レオニスが、単身で工房を訪れた。


 今回は、書類も護衛もない。


「状況は、ご存じでしょう」


「はい」


「囲い込みは停止しました」


 淡々とした報告だった。


「流通制限も解除しています」


「ありがとうございます」


 カイルは、簡潔に答える。


 勝ち誇らない。

 責めない。


 レオニスは、その態度を観察するように見た。


「あなたは」


 一拍。


「何も変わらないのですね」


「変える必要がありません」


 即答だった。


 レオニスは、小さく息を吐く。


「我々は、効率を最適化しました」


「はい」


「ですが、信頼の余白を削りすぎた」


 正面からの総括だった。


「あなたの工房は、小さい」


「ええ」


「だが、崩れない」


 その評価は、素直だった。


「競合として扱います」


 宣言ではなく、確認。


「囲わない。潰さない。

 ただ、市場で並ぶ」


 それが、商会の最終判断だった。


「それで十分です」


 カイルは、頷く。


 レオニスは、踵を返す前に一言だけ残した。


「あなたのような存在は、厄介です」


「光栄です」


 短い応酬。


 扉が閉まり、足音が遠ざかる。


 ミレアが、静かに言った。


「終わりましたね」


「はい」


 派手な勝利ではない。

 敵の壊滅でもない。


 ただ、圧力が消えた。


 守った結果が、残った。


 工房は、今日も小さい。


 だが。


 自分で決められる工程は、

 そのまま残っている。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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