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追放された鍛冶錬金師は、数値を信じるギルドを見限って静かに最強になる 〜評価されなかった生産職ですが、使った人だけが違いに気づきます〜  作者: 神崎タクミ


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第35話 守った結果

 工房は、相変わらず小さかった。


 拡張の話は、何度もあった。

 弟子を増やす案も、資金の提案も。


 だが、どれも受けていない。


「……静かですね」


 ミレアが、帳面を閉じながら言う。


「はい」


 カイルは、火を調整する。


「騒がしくは、ならなくなりました」


 依頼の数は、多くない。

 だが、途切れてもいない。


 紹介制は、完全に定着していた。


「この人からなら、受けてほしい」

「この装備なら、あそこが一番だ」


 そうやって回ってくる依頼だけが、残った。


 結果、工房の仕事は変わった。


 急ぎは、ほとんどない。

 無理な納期も、なくなった。


 代わりに。


「……この装備、前より軽い」


 受け取りに来た冒険者が、ぽつりと漏らす。


「数値は、変わっていません」


 カイルは答える。


「でも、動きやすい」


 それで、十分だった。


 帳面を見ると、収支はぎりぎりだ。

 大きな余裕はない。


 だが、赤字でもない。


「拡大していないのに、安定しています」


 ミレアが言う。


「小さくしたからです」


 カイルは、即答する。


「守れる範囲まで、戻しただけです」


 夕方。


 ロッドが、装備の調整に来た。


「最近、商会の装備で事故が増えてる」


 何気ない報告だった。


「無理が出てるんでしょうね」


 ミレアが応じる。


「囲い込んだ工房が、回らなくなってる」


 数を優先した結果、

 現場が追いついていない。


「……こっちは?」


 ロッドが、工房を見回す。


「変わらない」


 カイルは言う。


「変えなかったから」


 夜。


 灯りを落とす前、

 ミレアが小さく呟いた。


「守った結果、ですね」


「はい」


 大きくならなかった。

 派手にもならなかった。


 だが。


 壊れなかった。


 それが、今の答えだった。


本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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