↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【5/2コミカライズ一巻発売】【完結保証】およそ100年幽閉されていた魔術師夫婦は世界を巡る  作者: 吉野茉莉
第九話 双子の星

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
88/114

第九話 双子の星 ⑤

「ポラリス?」


 私とアランは顔を合わせたあと、立ち上がって部屋を出た。ポラリスの声のした方である部屋に行く。


 一瞬躊躇をしたが、ドアをノックもせずそのまま開けた。


 部屋は灯りが灯されている。


 部屋の中央にはポラリスが呆然とした風に立っていた。


「ポラリス!」


 私の声にポラリスが反応してこちらを見て駆け寄ってきた。


「お姉ちゃん! カノープスが!」


 ポラリスがさっきまでいたところの床を指さす。


 そこにはカノープスが横たわっていた。


 仰向けになっている。


 私にもわかる、異常さだ。


 カノープスが青く淡く発光している。カノープスの魔力が全身に広がっている。


「溶けて……?」


 魔力に包まれているがそれが床の周りに漏れているように見える。


「魔力暴走だ!」


 アランが叫ぶ。


「ポラリス、結界を解け!」


「え……」


「いいから早く!」


「うん」


 ポラリスが手を上げる。


「解いた」


「反射結界は張れるか?」


「僕には」


「わかった。私が張る。ポラリスはカノープスに触れて。エミーリア、手を」


 ポラリスが膝をついてカノープスの胸の上に手を置いた。


 私がアランの右手を掴んだ。膜を肌で感じる。アランが部屋を覆う程度の反射結界を張ったのだ。


「エミーリア、君はこれを維持して」


「うん」


 アランが言い、結界が引き継がれた。頭がくらりとする。かなり高密度な結界であることがわかる。私が直接反射結界が張れないとアランが判断したのだ。それは正しい。


「反射結界で魔力がここから散逸するのを防ぐ」


「アランは?」


「対処する」


 アランが歩いてポラリスの反対側に行き、倒れているカノープスに杖を向けた。


「命令をする!

 水と火は血に

 風と土は骨に

 火と風は腑に

 土と水は魔力に

 留まり、形を保ち、また元へ戻れ

 そうなるように

 結果を示せ」


 カノープスがビクンと跳ねた。


「カノープス! カノープス!」


 ポラリスがカノープスの胸に手を強く押している。もはやポラリスの手はカノープスの中にまで沈み込んでいる。


「ダメだ、間に合わない」


 アランがそう言うと、ポラリスが屈み込むようにしてカノープスに覆い被さる。床に広がり続けるカノープスの魔力がポラリスに集まっているようだった。


 そして、カノープスは泡のように消えていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。