第七話 魔術師不要 ④
さきほどの青年がまたやってきて、準備ができたのでと言ったので、後ろについていく。
「どうかされましたか?」
道を歩いている途中で青年が振り返って聞いてきた。
「いえ……。あの、この街には魔術師がいないと聞きました」
「ええ、そうですね。私も見たことがありません」
「来たこともないんですか?」
「どうでしょう、衛兵はあるのかもしれませんね。もし来たとしても入ることは許可されないと思いますが、鉱山のことで中央都市と取引はしているので、入り口までは来ているのかもしれません」
「そう、でも私たちは入れてくれた。どうして?」
「わかりません。監督官が許可したからです」
「監督官はどういう人なの?」
「どういう……。ええ、と、偉い人です。この街では一番偉いです」
曖昧な返答だ。
「そう、もう三十年も監督官をやっているって」
「そうです。街が戦争で疲弊しているところにやってきた旅人だそうです」
「この街の人ではなかったの?」
「はい。多くの大人が戦争と疫病で亡くなったばかりで、中央都市と交渉できる人がいなかったそうです」
「でもそれで外から来た人に任せるっていうのは」
「当時の人が決めたことですから私には。直接聞けば教えてくれるかもしれません」
「ありがとう、そうします」
「着きました。中へどうぞ」
街の中央まで行って大きな館まで来た。塔のような役割もしているのか、高さもかなりある。ここが監督官の家だということだろうか。一人で住むにはあまりにも大きすぎる。






