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【5/2コミカライズ一巻発売】【完結保証】およそ100年幽閉されていた魔術師夫婦は世界を巡る  作者: 吉野茉莉
第七話 魔術師不要

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第七話 魔術師不要 ④

 さきほどの青年がまたやってきて、準備ができたのでと言ったので、後ろについていく。


「どうかされましたか?」


 道を歩いている途中で青年が振り返って聞いてきた。


「いえ……。あの、この街には魔術師がいないと聞きました」


「ええ、そうですね。私も見たことがありません」


「来たこともないんですか?」


「どうでしょう、衛兵はあるのかもしれませんね。もし来たとしても入ることは許可されないと思いますが、鉱山のことで中央都市と取引はしているので、入り口までは来ているのかもしれません」


「そう、でも私たちは入れてくれた。どうして?」


「わかりません。監督官が許可したからです」


「監督官はどういう人なの?」


「どういう……。ええ、と、偉い人です。この街では一番偉いです」


 曖昧な返答だ。


「そう、もう三十年も監督官をやっているって」


「そうです。街が戦争で疲弊しているところにやってきた旅人だそうです」


「この街の人ではなかったの?」


「はい。多くの大人が戦争と疫病で亡くなったばかりで、中央都市と交渉できる人がいなかったそうです」


「でもそれで外から来た人に任せるっていうのは」


「当時の人が決めたことですから私には。直接聞けば教えてくれるかもしれません」


「ありがとう、そうします」


「着きました。中へどうぞ」


 街の中央まで行って大きな館まで来た。塔のような役割もしているのか、高さもかなりある。ここが監督官の家だということだろうか。一人で住むにはあまりにも大きすぎる。

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