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第六話 救援、もしくは罠 ⑫
扉を開けて外に出る。
アランが無言で水上歩行の魔術を私とアランの靴にかけた。
一歩水の上に乗る。私がかけた行きよりも安定感があった。
振り返る。
扉は閉まっていて、もうニコの姿は見えなかった。
アランの後ろに私がいる。
まだアランの顔を見ることができない。
アランは何も言わない。
アランは、何を、どこまで知っているのだろう。
アランは、私のことをどう思っているのだろう。
無言のまま私たちは湖を渡る。
風が吹いた。
もう一度振り返る。
鷲はもう飛んでいなかった。
湖の岸にたどり着いた。
アランの手を借りて地面に降りる。
「ありがと」
アランはただ頷いただけだ。
ほんの少し悲しそうな顔をしていた。
完全に両足が地面につく。
パアン。
島の方向から乾いた音がした。
「行こう」
「うん」
私はアランの手を握った。
いつまでこうしていられるのか。
永遠にはいられない。
ようやく私は、二人の終わりを想像するようになっていた。
だけどそのときまでは、私は黙っているしかないのか。
それでも、死が二人を分かつまで、いられるだろうか。
今はそれを保留して、せめて横に並べるようになる。
来たるべき時まで。






