第六話 救援、もしくは罠 ⑦
ニコが言い切って、不安そうにこちらを見る。
「その参画者がニコを閉じ込めている魔術師だと?」
「そ、そうとしか思えない。逃げているようでここまで追い込まれた、というわけさ」
「閉じ込められる理由に思い当たるか?」
「そ、それは俺があの通信を聞いてしまったから」
「それは少しおかしい」
アランが私を見た。私に続きを促している。考えて、考えていることを言え、という合図だ。私はニコの話を反芻する。何かしらの通信を参画者から受け取ったニコは、追われるようにこの島まで来た。この島で魔術師がニコを監視しているとして、それは何のためだろうか。閉じ込めるだけで何もしてこないのは確かにおかしい。私がニコを追いやった魔術師で、ニコの口を封じたいというのであれば、もうニコは殺されているだろう。
「どうして、襲ってこないの? もし通信を聞いた人間が何かあって邪魔だというなら、ここまで連れてくる必要もないし、少なくとも監視し続けている理由がない」
「そうだ。ニコ、君が邪魔ならもう殺されていておかしくない」
私の考えはおおむねアランが満足するものだったようだ。
「そ、それは、そ、そうかもしれないが」
「向こう側の都合で殺すことができない、という可能性が一番高い。能力的なものかもしれないし、別の事情があるかもしれない。ニコ、頭痛は?」
「そ、そう言われれば、最近はない。というか、ここに来てからだ。眠るときに違和感があるが、それも痛みというレベルじゃない」
「そうか、鷲を撃退しようとしたことは?」
ニコが顔を上げる。
「撃退? ああ、いや、ああ、ある、俺はあまり得意じゃないが、攻撃魔術を撃ったことはある。当たらなかった」
「当たらなかったときのことを詳しく教えてほしい」
「詳しくって……、ああ、いや、そうだ、変な感じがした。鳥を撃つなんてことはしたことがないが、そうだ、あれは、魔術を撃つ直前に避けているようだった。魔術を見て避けたわけじゃない。だから俺は魔術師が常に見張っていると思ったんだが」
「なるほど」
「これが何かの役に立つのか?」
「いや、そういうわけではないが。エミーリア、外に出よう」
「えっ?」
「私たちが鳥を撃退してみる」
「できるの?」
「できるかどうかはわからない。その検証をしてみる。それで撃ち落とせたらニコを連れ出すことができるかもしれない」
「……頼むよ」






