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【5/2コミカライズ一巻発売】【完結保証】およそ100年幽閉されていた魔術師夫婦は世界を巡る  作者: 吉野茉莉
第六話 救援、もしくは罠

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第六話 救援、もしくは罠 ⑦

 ニコが言い切って、不安そうにこちらを見る。


「その参画者がニコを閉じ込めている魔術師だと?」


「そ、そうとしか思えない。逃げているようでここまで追い込まれた、というわけさ」


「閉じ込められる理由に思い当たるか?」


「そ、それは俺があの通信を聞いてしまったから」


「それは少しおかしい」


 アランが私を見た。私に続きを促している。考えて、考えていることを言え、という合図だ。私はニコの話を反芻する。何かしらの通信を参画者から受け取ったニコは、追われるようにこの島まで来た。この島で魔術師がニコを監視しているとして、それは何のためだろうか。閉じ込めるだけで何もしてこないのは確かにおかしい。私がニコを追いやった魔術師で、ニコの口を封じたいというのであれば、もうニコは殺されているだろう。


「どうして、襲ってこないの? もし通信を聞いた人間が何かあって邪魔だというなら、ここまで連れてくる必要もないし、少なくとも監視し続けている理由がない」


「そうだ。ニコ、君が邪魔ならもう殺されていておかしくない」


 私の考えはおおむねアランが満足するものだったようだ。


「そ、それは、そ、そうかもしれないが」


「向こう側の都合で殺すことができない、という可能性が一番高い。能力的なものかもしれないし、別の事情があるかもしれない。ニコ、頭痛は?」


「そ、そう言われれば、最近はない。というか、ここに来てからだ。眠るときに違和感があるが、それも痛みというレベルじゃない」


「そうか、鷲を撃退しようとしたことは?」


 ニコが顔を上げる。


「撃退? ああ、いや、ああ、ある、俺はあまり得意じゃないが、攻撃魔術を撃ったことはある。当たらなかった」


「当たらなかったときのことを詳しく教えてほしい」


「詳しくって……、ああ、いや、そうだ、変な感じがした。鳥を撃つなんてことはしたことがないが、そうだ、あれは、魔術を撃つ直前に避けているようだった。魔術を見て避けたわけじゃない。だから俺は魔術師が常に見張っていると思ったんだが」


「なるほど」


「これが何かの役に立つのか?」


「いや、そういうわけではないが。エミーリア、外に出よう」


「えっ?」


「私たちが鳥を撃退してみる」


「できるの?」


「できるかどうかはわからない。その検証をしてみる。それで撃ち落とせたらニコを連れ出すことができるかもしれない」


「……頼むよ」

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