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【5/2コミカライズ一巻発売】【完結保証】およそ100年幽閉されていた魔術師夫婦は世界を巡る  作者: 吉野茉莉
第六話 救援、もしくは罠

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第六話 救援、もしくは罠 ③

「こちらはアラン、ニコ、君の通信を受け取った。救援に向かいたい。場所は伝えられるか?」


 アランが口に出して言う。通信は言葉にする必要はないらしいけど、私に耳で聞こえるようにしているのだろう。


 間があって、頭に言葉が響く。


『あ、ああ、これを受け取ってくれる人がいるとは! アラン、ありがとう! こちらはニコ、現在地は、その近くに湖があるはずだ。方向は、わかるだろうか』


「通信で大体の方向はわかる。湖の方へ向かう。また近くなったら連絡する」


『わかった。そちらはアランだけか?』


「そうだ」


『そうか、だったら注意してくれ。この通信を魔術師が聞いているかもしれない』


「わかった」


 アランが私を見て一度頷く。


「ここからは二人だけだ。まず、君は認識結界を張る。他に魔術師がいるなら多少の目くらましにはなる」


「どうして私が?」


「私は通信に割く。君は私の手を使わないで魔術を行う訓練だ。私たちの姿を消すだけの範囲でいい。いかに魔術師といえども、距離を取れば見つけるのは難しい。認識結界は君の得意分野だろう?」


「やってみる」


 左手で杖を握って空に掲げる。


 結界に詠唱は要らない、イメージをすればそれだけでいい。


 私と、それ以外を区別する。


 私が、私以外の何者でもないことをイメージする。


 杖を空に向けてゆらして、私の周りを取り囲むようにドーム状の壁を構築する。


 目の奥がチリチリする。 


「成功した、と思う」


「エミーリア、上出来だ。とりあえずはこれでいい。速く、正確に、強固にするのは練習だね」


「うん!」


 アランに褒められて気分がよくなる。


「では移動しよう。移動しながら維持をするイメージを忘れないように」


 今歩いてきた方向から左に折れて向かう。


「ニコのいる場所は通信でそれほど遠くないことがわかっている。一時間も歩けば着くだろう」

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