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【5/2コミカライズ一巻発売】【完結保証】およそ100年幽閉されていた魔術師夫婦は世界を巡る  作者: 吉野茉莉
第五話 夢を見る村

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第五話 夢を見る村 ⑤

 それから二人で村をぐるっと回ってみた。


 その間に二人組の男女に会ったが、最初の男性と同じようなことを言っていた。アイリーンのことを知っていて、彼女に感謝をしている。夢の中に入る前のことはあまり覚えていない。


 アイリーンの言う通り、村の端には結界が張られていた。向こうがぼやけている。認識結界だろう。夢の中でも結界が張られていることがわかる。


「止めておいた方がいい」


 触れようとしたところでアランが言う。


「君なら破壊できるかもしれないが、何が起こるかわからない」


「うん」


「いいところだ」


「いいところ?」


「そうだろう? 誰も彼も生活が保障されている」


「そうだけど」


 アランがそんなことを言うとは思わなかったので意外だった。


「まるで君の結界の中みたいだ」


「それは、そうかも」


 かつて私が城に張った結界、誰も侵入できず、私自身も出ることができなかった結界に近い。


「ここに住むのも悪くないかもしれないね」


「でも私たちは、私の街まで行くって決めたから」


「行ってどうなる? 百年経った、誰も君のことを知らない可能性が高い。それで何が得られるのだろう」


「それでも……、行くって決めたから」


「それなら、もう一度アイリーンに会ってみよう。村は巡った。扉は開いているかもしれない」


 アランが右手を離して私の右腰に手を当てた。ほとんど密着している。

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