第五話 夢を見る村 ⑤
それから二人で村をぐるっと回ってみた。
その間に二人組の男女に会ったが、最初の男性と同じようなことを言っていた。アイリーンのことを知っていて、彼女に感謝をしている。夢の中に入る前のことはあまり覚えていない。
アイリーンの言う通り、村の端には結界が張られていた。向こうがぼやけている。認識結界だろう。夢の中でも結界が張られていることがわかる。
「止めておいた方がいい」
触れようとしたところでアランが言う。
「君なら破壊できるかもしれないが、何が起こるかわからない」
「うん」
「いいところだ」
「いいところ?」
「そうだろう? 誰も彼も生活が保障されている」
「そうだけど」
アランがそんなことを言うとは思わなかったので意外だった。
「まるで君の結界の中みたいだ」
「それは、そうかも」
かつて私が城に張った結界、誰も侵入できず、私自身も出ることができなかった結界に近い。
「ここに住むのも悪くないかもしれないね」
「でも私たちは、私の街まで行くって決めたから」
「行ってどうなる? 百年経った、誰も君のことを知らない可能性が高い。それで何が得られるのだろう」
「それでも……、行くって決めたから」
「それなら、もう一度アイリーンに会ってみよう。村は巡った。扉は開いているかもしれない」
アランが右手を離して私の右腰に手を当てた。ほとんど密着している。






