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3振り、襲わないでくれ

私は姫崎(ひめさき)由香(ゆか)。高校生だよ。

春川君がステータスを決めちゃって消えちゃった後、私たちはクラスメイトの提案通りグループに分かれた。私のグループは5人で、男子2人と女子3人。

男子が前衛をやるとかで、2人は『攻撃力』と『防御力』と『魔防』にステータスを割り振った。私たち女子は後衛をやるって事で、私以外の2人が『魔攻』に全てポイントを使ってた。で、私なんだけど、後衛2人前衛2人でバランスが良いからって事で、別の役割が与えられることになったの。それが、レアドロップ専門員。『運』に全部のポイントを使って、良いドロップをゲットできるようにするんだって。私も反対する理由はないから承諾して、全部のポイントを『運』に使った。

グループで全員一緒に最後のポイントを割り振って、手を握り合う。こうすることで同じ場所に転移されるかなって、甘いことを考えてた。

でも、当たり前だけどそんなことが上手くいくわけなくて、


「あ、あれ?皆は?」


私はポツンと1人森の中に。探してみたけどグループのメンバーは1人として近くにいなかった。つまり、私1人でこの森の中で生きていかなきゃいけないみたい。

……え?無理じゃない?え?無理だよね?え?無理以外のなんだって言うの?


「…………どうすれば良いんですかぁぁぁぁぁ!!!!!!??????」


気付いたときには叫んでいた。これは間違った行動だったかもしれないし、悪くない行動だったかもしれない。なぜかって言えば、


「……あっ。姫崎さん!」


「っ!?」


クラスメイトに合流できたから。コレは良いことだった。でも悪いことも一緒に起きて、


「ゴブゴブッ!」


「っ!?ゴブリン!?」

「おい!ナイフの準備だ!」


モンスターが声に反応してたくさん来ちゃった。それから数十分クラスメイトとモンスターが戦闘に。数はクラスメイトの方が多くてどうにかなったけど、凄い怖かった。


「ねぇ。姫崎さん。これからどうするの?」


「これから?」


戦いが終わって、私はクラスメイトに話しかけられた。聞かれたことがよく分からなくて首をかしげると、


「姫崎さんは戦いたくないんでしょ?さっきも全然攻撃してなかったし」


「え?……あ、その、戦いたくないって言うより、戦えないって言うか」


私は『運』にポイントを全部使ったことを説明した。すると、クラスメイト達はちょっと嫌な笑顔を浮かべて、


「あのさ。戦えない足手まといを連れて歩くのは危ないんだよ」


「っ!?」


私は連れて行けない。そう言われた気がした。でも、クラスメイトの言いたかったことはそういうことではないらしく。


「でもね。クラスメイトだし、姫崎さんを見捨てたくはないんだよ。……だからさ。助けてあげる代わりにお礼を頂戴」


「お、お礼?」


「そう。身体で払って」


「なっ!?」


ひどい提案だと思う。最初からそれが狙いだったのかもしれない。私は当然拒否する。


「い、嫌だよ!」


「……へぇ。じゃあ、ここに置いていくことにするけど、……いいの?」


「……うぅ」


私は何も言い返せない。クラスメイトだって命が掛かっている。食糧とかの問題もある中で、戦えない私を連れて行く意味なんてない。だからこそ、身体を売るだけで助かるならましだと思えるかもしれない。そんなことを考えていると、


「ほら。いい加減にしなよ!」


「きゃっ!?」


肩を押されて転ぶ私。そんな私の上にクラスメイトが覆い被さっている。そのクラスメイトの手は私の服に伸びてきて、


「や、やめてよ!」


「やだね。自分からやらないならこっちから無理矢理やるよ。……痛いのは我慢してね」


嫌らしい笑みを浮かべながら、私の服を剥ぎ取っていくクラスメイト。その瞳はまさしく獣のそれだった。もうダメかと思ったその時。


「ワオォンッ!」

「キャンキャンキャンッ!」


犬型のモンスターが現れた。


「なっ!?犬!?」

「いや。オオカミだろ!」

「くそっ!良いところだったのに!」


クラスメイト達は悪態を吐きつつオオカミに向かう。そして、


「がはっ!?」


「「「なっ!?」」」


吹き飛ばされる1人の男子。それを見て、周りのクラスメイトは目を見開く。それもそのはず。さっき戦ったゴブリンとは比べものにならないくらい速いんだから。


「お、おい。どうする!?」


「どうするって、逃げるしかないだろ!相手知られないぞ!」

「くそっ!運が悪い!」


クラスメイトがそんな会話をして走り去っていく。私は完全に放置。でも、運が良いことにオオカミみたいな魔物もクラスメイトを追ってさっていった。


「た、助かった、の?」


私はそう思って胸をなで下ろす。でも、私の不幸はそんな簡単には終わってくれない。


「ゴブゴブッ!」

「ゴブ!」


聞こえてくる声。ゴブリンだ。5体ほどいて、全員木でつくった棍棒を持っている。すでに私は見つかってるみたいで、囲むようにしながら近づいてきていた。


「もぅ!やだよ!帰りたいよ!」


私は泣きそうになりながら走る。乱れた服を戻すことすら出来ない。ゴブリンも追いかけてくるけど、幸運なことに私と走る速度は同じくらい。このまま走り続けることが出来れば、暫くは捕まりそうにない。そう思っていたのに、


「「「ギャアアァァァァ!!!!?????」」」


悲鳴が聞こえてきた。たぶん、私とさっきまで一緒にいたクラスメイト達の悲鳴だと思う。その悲鳴に気をとられた瞬間、私は自分の足元にあるものに気付かずに、


「あっ!?」


身体が前のめりに倒れる。木の根に引っかかったみたいだ。急いで起き上がろうとしたけど、


「ゴブッ!」


「あぐっ!?」


棍棒でお腹を殴られた。鈍い痛みが私を襲う。そして、そのまま地面に引き倒された。集まってきたゴブリン達に服を破かれ、私は……。


「大丈夫か?」


差し出される手。血のついたその手から目線を上げると、そこにいたのは、


「っ!?……は、はる、かわ、君?」

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